ビットコインを始めとする仮想通貨といえば、『一世風靡』という言葉が浮かぶくらい低迷しています。
2017年末頃に中央線沿線のドトールで小豆相場が似合いそうな主婦が盛んに「いまはビットコインがね!」と語っているのを目にして、「バブルの時代ってこんなだったんだろうな~」と思っていたのが実に懐かしい。あの一億総ビットコインのようなテンションは筆者も持っていたんですけど、あれって何だったんでしょうね?
そんな仮想通貨ですが、4月2日にいきなりの急騰を見せました。多くの人たちが仮想通貨から遠ざかっていたはずなので、みんなは「なんで?」と疑問に思ったのではないでしょうか。
そこで一連の流れをいまさらながらにまとめてみたいなと思いました。
グラフ1
まず、メジャーな仮想通貨の値動きを見てみましょう。グラフ1は3月26日~4月10日までのビットコイン価格です。4月1日までは40万円台半ばあたりで推移していましたが、4月2日に55万円(高値)まで急騰。翌日には59万円(高値)と60万円突破の目前まで値上がりしました。その後もあくまで高値ですが50万円台後半をキープして、4月10日には60万円を突破しています。
グラフ2
グラフ3
グラフ4
グラフ5
グラフ6
グラフ2~6はビットコイン以外のメジャーなコインの値動きとなります。どの〝コイン〟も4月2日に軒並み急騰していて、4月10日まで高値圏で推移。正直、急騰したのは一過性で、また元の価格まで戻すんじゃないのと思っていましたが、今のところは高値圏をキープしていて、しばらく続くんじゃないかという動きですね。
そして、気になるのがいきなり急騰した原因でしょう。
端的に理由を述べてしまうと、「ビットコインが大量に買われたから」ということになります。仮想通貨仲介会社のオリバー・フォン・ランツベルグ・サディー所長がロイターに語った話によると、ある1人のバイヤーが複数の取引所で1億ドル(約110億円)相当のビットコインを購入したんだとか。これを契機に売買が増えたことで急騰という流れになったそうです。
それじゃあ、なんで仮想通貨が買われたのという理由についてもいろいろな憶測が飛び交いました。いわくアルゴリズムによる自動トレードが原因だとか、ブレグジットを目前に英国ポンドをビットコインに交換しているからだとか。なかには4月1日のエイプリルフールに某仮想通貨メディアが「米証券取引所が2つのビットコインETFを承認」という『ウソニュース』を報じたのがきっかけなんて話まで飛び出しています。現在までに、はっきりコレだという原因は不明のままです。
久々に世間を騒がせた仮想通貨ですが、50万円台まで回復してきたのは興味深いところ。ただ、4月12日になって下げ基調に入りつつある動きを見せていますが、今回のように突然の暴騰ということも珍しくないのが仮想通貨の醍醐味でもあり怖さでもあります。2019年は仮想通貨の動きに少しだけ注目してみてもいいんじゃないでしょうか。(文◎百園雷太)