連載第8回：吉田豪の 「だいたい日刊で140字前後でニュース斬り」～山口連続殺人～
山口県周南市連続殺人事件の犯人逮捕。
集落で村八分になった男が復讐のため連続殺人に至るという意味で『八つ墓村』と比較する人も多いわけですが、要は津山30人殺しっぽいってことで。
同じ事件をモチーフにした、完全武装で集落の人間を片っ端から殺害した主人公が「皆様方よ、いまに見ておれでございますよ！」と言い放つ『丑三つの村』が大好きなボクとしても、非常に同感。
そもそも、最後は山に逃げて自殺しようとするのも同じだし（津山30人殺しの都井睦雄は自殺を完遂）。日本人は力道山やウルトラマンを例に挙げるまでもなく、主人公がしんどい状況に耐えに耐えてから爆発して相手を叩きのめす物語が大好きなので、こういう事件だと加害者に感情移入する人が増えがちなんだと思います。
ゲームやアニメの影響で若者の凶悪犯罪が増えたとかよく言われるけど、短気な老人が増えたのは『オバＱ』の神成さんの影響なわけもないし、そんなものとは何の関係もなく事件は起きると痛感させられました。
Written by 吉田豪
Photo by imagerymajestic
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