金融庁「年金ムリだから自分で2千万円貯金して」が大炎上 ホームレスにならない為にまずやるべきこと

ものすごく端的に書いてみただけなんですけど、改めてアゼンとする論法ですね。あくまで筆者の私見ですが、あきらかに年金財政の運用に失敗して長寿化に対応できなくなっているのに、国民の資産形成にあれこれ上から指図しているのが滑稽というか、なんというか。この提言のなかで「政府もアドバイスしますよ」みたいなことを言っているのですが、ちゃんちゃらおかしいよ。高齢化なんてだいぶ昔から予想されていたのに、それすら対応できてねぇじゃん。

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ただ、「現行の年金制度では無理」ということ自体、少し前から臭わせてはいたんですよね。例えば、2004年の年金制度改革で保険料率の段階的引き上げを決めていますし、2018年の財政制度審議会では「受給水準の充実」のモデルケースとして受給開始年齢の「68歳引き上げ」を提示しています。

これは「保険料負担の増加」と「年金受給額の減額」で悪化する年金制度のフォローをしようとする動きでしょう。

また、政府がこれまで必死に進めている「働き方改革」で継続雇用や定年延長の動きが出ているのも、年金だけじゃ生活を賄えないからじゃないですか。昨今のNISAやつみたてNISA、iDeCoのように税制優遇された資産運用制度が誕生したのも、「年金をアテにすんな」という思いが透けて見えますね。

しかし、政府は「年金だけで老後生活をフォローできない」とカンタンに言えるんでしょうが、私たちにとっては結構な死活問題です。