「俺の平成史」に刻まれた名番組『ボキャブラ天国』 芸人が出て来ない初期が面白かった|中川淳一郎
【1】ミシンで裁縫をしている女性が登場。水前寺清子の『365歩のマーチ』のサビ部分のテロップが出るのだが、そこで「ミシン針が指に刺さり貫通、貫通」となり、女性は悶絶。
【2】横浜マリノスのユニフォームを来たデブが3人いきなり飛んできて両手を広げて通せんぼをする。するとテロップの「横浜マリノス」が「横幅アリマス」になる。
【3】イトーヨーカドーの建物の巨大なロゴが登場。カメラが入口の方に向くと男性が立っている。そこにもう一人の男性がやってきて「イトーヨーカドー」のテロップが。そして、男性の一人が「伊藤!」でもう一人が「よー、加藤!」と言うとテロップは「伊藤、よー加藤!」に変更される。
【4】ある相撲部屋、力士が一人になり、存続の危機が迫りおかみさんは悩む。そこに唯一の所属力士がおかみさんのところにやってきて「新弟子来ました」と報告。ホッとするおかみさんだが、そこに赤ふんどしのデブが腹を撫でる映像が登場。「死んでしまおうなんて」という歌詞のテロップが出ると「新弟子モーホーなんて」とテロップが変わり、その新弟子が兄弟子に色目を使い、体を触りまくる、というものだ。
【5】『大阪で生まれた女』という歌がある。サビの部分はこの曲名の後に「やさかい」がつく。「大阪で生まれた女だから」という意味だが、水商売風の女が大阪の道を歩いている。そこで突然踏まれてしまう。そこで「大阪で踏まれた女やさかい」となるのかと思ったら、オチで「他界」と入り、「大阪で踏まれた女が他界」となり、仏壇に遺影が飾られるのだ。こうした「2段階ボケ」というのも同番組の魅力だった。