どんどん膨れ上がる東京五輪の予算 映画『アルキメデスの大戦』は現在を描いていた|プチ鹿島
映画冒頭ではいきなり戦艦大和が撃沈する。しかし戦争シーンはこれだけ。舞台はそこから12年前の1933年(昭和8年)へ。海軍省が会議をやっている。
巨大戦艦を建造したい派と「今後の海戦は航空機主流。大艦巨砲主義はもう古い」という山本五十六(舘ひろし)派。しかも山本派から見て巨大戦艦の見積もりはやたら安いのだ。
見積もりがインチキであることは明白だが相手は詳しい資料は見せてくれない。国家予算の無駄遣いを証明するために本当の見積もり価格を算出するしかない。そう考えた山本五十六は天才数学者に会う。それが菅田将暉演じる元帝国大学の数学者だった。
これは史実から着想を得たフィクションだけど「結論ありきの会議やお手盛り予算」とか「隠ぺい」とか、もっと言えば「絶対に日本は負けない、失敗しない」というシーンを次々に見ると、ああ、これは「今」を描いているのかなと思えて仕方なかった。東京五輪の膨れ上がる予算や酷暑開催を見てもそうではないか。
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