何で専門外の事を語れるの? 弁護士、医師、作家など…続々参入するワイドショー・コメンテーター その最たるものがショーンK氏|中川淳一郎

本来だったら「バカなんじゃないですか?」の一言で済ませていたような人物が、「色々な状況を考え、その結果こうした行為に至ったのかもしれませんね」的な当たり障りのない発言をするようになる。

私自身、番組関係者と会うこともあるためコメンテーターがなぜいるのかの本当の理由は分かっている。理由は、「取材を減らすことができる」ことだ。何しろ、コメンテーターに好き放題(無難とはいえ)喋らせておけば、「尺」を稼ぐことができるのだ。レポーター、ディレクター、音声、カメラマン数人のクルーを出し、果たして良いコメントや「画(え)」が取れるか分からない取材に行き、7分のVTRを作成するよりも、スタジオでああだこうだと多くの「賑やかし」的コメンテーターに喋らせておけば、取材をいくつかしないで済む。

こうした理由からテレビの情報番組というのは作られているので、「まぁ、そんなもんだ」的に観るだけでいい。あくまでも「尺」を取るために番組を作っていると考えれば、そこまで本気で怒ったりしないで済む。オウムのもたらした影響についてはまたいずれ。(文◎中川淳一郎 連載『俺の平成史』)

 

あわせて読む:拷問! PCなき平成初期の雑誌作り 誰もが興奮した紙メディアはこうして作られていた(私が編集したページ付き)|中川淳一郎 | TABLO