座間、猟奇大量殺人事件現場歩いてみた「本当にここが殺人現場なのか」

遺体の処理も白石隆浩容疑者一人でやったという。これも過去の事件の例から言うと考えにくい。埼玉愛犬家殺人事件、北九州監禁事件など二人以上で行っている。「一人目は三日かかり、二人目からは一日でできた」。白石容疑者の今のところの供述だ。確かに、一人でやれない事はない。2006年12月に東京都新宿区、渋谷区で起きた「セレブ妻遺体損壊事件」である。犯人は30代の女性。被害者は夫である男性。女性は夫を殺害後、遺体をバラバラにしてボストンバックに詰めて、町田市の公園に遺棄した。
そういう意味では、やってやれない事はない。が9人ともなると……。何らかの異変に同じコーポの住民は気づくのではないか。が、小田急線沿いにあるコーポは、時おり通る電車の音が騒々しいだろう(写真4)。これが異変を消したのか。

小田急線の線路沿いなので電車が通ると騒音が激しい(写真4)

 埼玉愛犬家殺人、北九州監禁事件の例を見るに、殺人現場は他にあるのではないか。またこれだけ人数を殺害し、バラバラにしたのは本当に白石隆浩容疑者一人なのか。過去にそういう事件はない。
20171104_05.jpg

が、事件取材を20年の週刊誌記者は、この殺人現場感に異論を唱える。「コーポから白石容疑者の血痕がある訳ですしね。現場が別にあったとして、それをあのコーポに持っていくのは重労働です。確かに二人でクーラーボックスを運んだという説もあるのですが。まだ分からないですが一人でやったんじゃないですか」
・動機の解明
・白石隆浩容疑者の人間性

これがこの事件の最も大きなカギとなる。白石隆浩容疑者は、歌舞伎町の区役所通り入り口で(写真5)、風俗のスカウトをしていた。スカウトには縄張りがあり、白石隆浩容疑者が所属していた会社の受け持ちはそこだった。しかし、スカウト達は白石隆浩容疑者を「印象がない」「そもそもそいた? あんな奴」という具合だ。

20171104_06.jpg白石容疑者がスカウトをしていたとされる歌舞伎町の区役所通り入り口(写真5)

 スカウトでは道に立てずにいて、ツイッターを通して、風俗にスカウトしようとしたのか。