尊敬する百田尚樹先生の「殉愛」を『ニセモノだ!』と認定した裁判を傍聴してきました

事の発端は作家の百田尚樹先生が2014年11月7日に幻冬舎から出版なさった「殉愛」という一冊の本でした。

タレントのやしきたかじんさんの晩年を献身的に支えた妻、家鋪さくらさんを描いた感動のノンフィクション作品です。この本が発売された当初から、

「ノンフィクションって言ってるけど内容が嘘ばっかりなんじゃないの?」

と大変な評判を集めていたそうです。そんな評判を受けて、宝島社は2015年2月23日に「百田尚樹 『殉愛』の真実」というタイトルの「殉愛」検証本を出版しました。その内容をかいつまんで言えば、百田尚樹先生がさくらさんから聞いた話を基に書いた「殉愛」の内容は嘘ばかりである、というものです。これを受けて、当事者である家鋪さくらさんは宝島社を提訴しました。

名作『殉愛』

「殉愛」の中にこんな記述があります。

「読者にはにわかに信じられないかも知れないが、この物語はすべて真実である。」(「殉愛」p406)

にわかに信じられませんでした。すべて真実であるはずなのに家鋪さくらさんと幻冬舎は、宝島社を相手取った裁判で負けてしまったのです。判決公判は裁判官の一言であっけなく終わりました。

「請求を棄却する」

この一言で、百田先生がノンフィクション作品だと主張する「殉愛」に書いていた内容が真実ではないということが裁判所によって認定されたのです。数年前、先生は「殉愛」に書かれている内容が虚偽であることを指摘されて、ツイッターに次のような書き込みをなさっています。

「たしかに『殉愛』には、未亡人の結婚歴と離婚歴を書かなかった。それは私のミスだが、書かなかったのは理由がある。
たかじん氏がそれを公表することを望んでいなかったからだ。
しかし、それ以外には一切ウソはない!!
書かれたことはすべて真実だ!虚偽だと言う者がいるが、法廷で決着をつける」

先生のお言葉通り、法廷で決着が着きました。さくらさんは他にも何件も訴訟を起こしていて、まだ争っているものもありますが現時点では連戦連敗だそうです。