「夜間から早朝にかけて営業している業種での感染」とは具体的に“なに”を指しているのか? 風営法を複雑にしたツケが回ってきている今

今会見を素直に聞けば、孤発例が多くなっているとしてあげられた店舗を業種で言えば、キャバクラやカラオケデュエットなども出来るスナックなどと考えられる。そしてバーなどの深夜酒類提供店とは違い、これらの店舗は夜間から深夜にかけては営業できない……。

筆者はこれらの店を取り締まれという立場ではない。むしろ、現実に即した営業時間を認め、税収アップに繋げるべしという考えだ。しかしながら、今回小池都知事は、「夜間から早朝にかけての接待飲食業の場での感染者が東京都で多発している……」という理屈から、接待営業のみならず、大きな網で(接待営業とは違って)密着度が低いとみられる「バー」などへの出入りをも控えるように要請を出した。しかし、バーへの出入りが不可なら、カウンター居酒屋や割烹はどうするのか? という話も出てくるだろう。

もちろん、「このような有事では、(海外のように)すべての飲食店を対象にすべし!」という声もあるだろう。だが、些細なことのようだが、風営法の現状を知っているとは思えない、お上判断でざっくりと(恣意的に?)物事が決まることに違和感を覚える。ましてや、(同じ)風営法の下にあり、三つの密の可能性もあるパチンコ店については、今会見で触れられていない。

意地悪な見方をすれば、一部をスケープゴートに出すことで利権を守る……とも言えよう。コロナ禍に最大の留意を払うのは当然だが、見るべきものは見る姿勢は大切だ。(文◎堂本清太)

 

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