もしも、不法滞在中の外国人がコロナに感染したら…? ベトナム人女性の裁判で感じた日本が抱えるリスク

この国は今、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために緊急事態宣言が発令されるなど、前例のない事態を迎えています。

法務省のホームページによると、日本に不法滞在をしている外国人は令和元年7月1日時点で約8万人。彼らは今、どのように過ごしているのでしょうか?

コロナが強く疑われる症状が出ても、彼らは病院に行くことはできません。

もし病院に行って診察を受けるなら、合法的に日本に滞在している友人などから在留カードを借りてその人に成り済ますなどの方法が考えられます。しかし、他人の在留カードを使うことはもちろん、他人に在留カードを貸与することも違法です。バレれば強制送還です。

彼らにも日本に残らなければいけないそれぞれ個別の事情があります。そこまでのリスクを犯してまで病院に行く人などほぼいないのではないでしょうか。

症状が出ても病院に行かない、行けない人たちが存在するという事実。

これは人道上の理由だけでなく、感染拡大を防ぐという観点から見ても大きな問題なのではないでしょうか?

今「命を守る行動」というフレーズがさかんに飛び交っています。

たとえどんな人間であっても平等にその「命」を守るための政策が為されることを強く望みます。(取材・文◎鈴木孔明)

 

あわせて読む:コロナ自粛で犯罪者が野放し? 裁判所や検察庁が「送致しないで」と仰天要請 時効を逃れる人も出てくるのか | TABLO