道玄坂から消えた中国人女性客引き 「マッサージイカガテスカ」攻撃がないのは有難いが…|中川淳一郎

私は百軒店にあるスナックの常連だったため、イヤでも道玄坂を上がらなくてはいけなかったのだが、不思議なもので、中国人女性をこれだけ多数見ると日本人と韓国人と中国人の違いが一瞬で見抜けるようになった。中国人はなんというか、日本人と韓国人(特に日本人)とは異なり「修羅場をくぐった」風の目をしているのである。

常に何かを警戒しており、一人佇む時も厳しい目つきで客を見定めている。そして、格好については、冬はダウンジャケット風のものを着ている人が多いのですぐに分かる。ファーがついている場合も多い。スカートはほぼはいておらず、パンツ姿が多かった。

そして、困ったことに私はとにかく毎度数名から客引き攻撃に遭うのだ。イケメンと二人でスナックに行く時、試しに彼と私とを分かれて歩いたことがある。「果たしてどちらに声をかけるか」という勝負なのだが、150メートルほどの間で私は5人から声をかけられ、イケメンは1人からも声をかけられなかった。

よっぽどモテないかスケベだと思われたのであろう。

今でも道玄坂には何軒かのマッサージ店はあるが、客引きはまったく見なくなった。それは同時に中国人にとって日本がカネを稼ぐために「おいしい」市場ではなくなったことを意味しているのかもしれない。

正直、あの「マッサージイカガデスカ」攻撃がなくなったのは有難いが、日本がもはや儲けられる場所ではないと判断されたようにも感じられてしまうのである。(文・中川淳一郎 連載「俺の平成史」)

 

あわせて読む:史上初の「緊急事態宣言」で変わり果てた新宿・歌舞伎町 新宿駅では3密は避けられない 安倍総理、小池都知事は都民・国民の生活を把握しているのか | TABLO