木村花、鷹野日南、三浦春馬…、若い著名人の自死はなぜ続くのか 専門家に聞く 悲劇を二度と起こさない為に

「厚労省の自殺予防ガイドラインは、どちらかといえば、メディア向けですね。なので、プロダクションが順守するというものではなく、報道機関向けのガイドラインになります。また、ストレスチェックは過重労働を図るためのものになります。プロダクションが気を付けるとしたら、売れっ子に対して過重となるスケジュールで仕事を入れてしまい、そこで、うつ病を発症させてしまうようなケースが考えられるかと思います。

なかなか、芸能という業務請負の世界は難しいですが、スケジュール管理やタレントの面談を通じて、しっかり課題や悩みをとらえなければならない点では労働者を管理する観点と一緒だと思います。アミューズくらい大きいプロダクションでも三浦春馬さんの自殺は止められなかったわけですから、理想論になってしまいますが」

 

精神科医の観点

次に、豊島区にあるライフサポートクリニックの山下悠毅先生に精神科医療の観点からお話をうかがいました。

「自殺の予測や危険因子の研究はなかなか進みません。それは、自殺の既遂者に質問をすることができないからです」(山下悠毅先生)

そこで、精神科医療では「心理学的剖検」という方法で自殺の研究を行っているそうです。これは、「自殺をされた方と親交の深かった方から、当人が自殺される直前の様子を聴取し統計を集める」という研究手法だそうです。

 

参考記事:「博学でストイック」 三浦春馬さんの素顔を仕事仲間たちが語る 器用なタイプではなかった 年末にはミュージカルの主演の予定 | TABLO