木村花、鷹野日南、三浦春馬…、若い著名人の自死はなぜ続くのか 専門家に聞く 悲劇を二度と起こさない為に

―ー抗うつ剤を飲んでいる人が、アルコールを摂取するのは危険と言われていますが、周囲の人がそれに気づいた時にはどのように接したら良いのでしょうか。

「抗うつ剤に関わらず、薬とお酒の相性は悪いです。なぜなら、薬とお酒を混ぜると、お互いが化学反応を起こすからです。ただし、抗うつ剤を飲んでいる方がお酒を飲んでしまう理由は不眠であったり、不安であったり、多くが、精神科の治療が上手くいっていないケースが多いのです。つまり、そうした方は自己治療としてアルコールを自己処方しているのです。そのため、もし、そうした状態の方がいたならば、『薬にお酒を重ねるな』ではなく、『主治医の先生との相性はどうか』『精神科にもセカンドオピニオンという制度がある』などと話し合って頂きたいです」(山下悠毅先生)

―ー金銭的に逼迫して自殺する方も多いですが、周囲からどのような声かけをするのが望ましいでしょうか。

「『金銭的に困り自殺をした』とありますが、多くのケースでは、人は、お金がなくて自殺をされるのではなく、うつ病を発症した結果、『自分はお金がないので死ぬしかない』という妄想(貧困妄想)にとらわれて、自殺をされてしまうのです。うつ病の初期サインで多いのは、睡眠障害です。特に、『明け方に目が覚めてしまう』(早朝覚醒)はうつ病の症状として特徴的ですので、『ひょっとして、夜中に何度も目が覚めたりしてるのでは?』『朝起きても、寝た気がしていないのでは?』と尋ねてあげることが大切です。その上で答えが『イエス』であったなら、専門の医療機関へ繋げて頂きたいと思います」(山下悠毅先生)

「コロナうつ 」という言葉も報じられていますが、一人で苦しまずに、命を大切にして頂きたいと思います。(文◎霜月潤一朗)

 

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