「コロナの温床」と言われた歌舞伎町 その隣にある『韓流タウン』では客足に不思議な現象が起きている!

筆者はコロナ禍の約1年間、歌舞伎町を中心とした新宿の繁華街の推移を定点観測してきた。新大久保界隈もそのひとつなのだが、緊急事態宣言前後を見る限り、韓流タウンもまた苦難の最中にあった。

特にここ数年の韓流ブームに乗って出店したニューカマー組はその影響をもろに受け、体力がない店から休業に追いやられていった。業種で言えば、街歩きに適したハットグ専門店などは、老舗業者を除いて姿を消しつつあったのだ。

無論、道一本隔てて隣接する歌舞伎町も当時は青息吐息だったワケだから、韓流タウンだけが危機に瀕していたのではない。しかし、その後の街の状況は異なった道のりを歩む。

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歌舞伎町は緊急事態宣言以降、組合や老舗店舗などを中心にして、様々な感染対策を掲げて(まさに、血のにじむような努力をして)生き残りを図った。だが、一方で、一部接客を含む店舗の“通常運行”には手を焼いた……というより、イメージ的に足を引っ張られた。

一方、韓流タウンの方はというと“総じて”静観の構えをとった。具体的に言えば、にぎやかだった呼び込み(客引きではない、為念)が影を潜めた。これは、昨今の日韓関係からデリケートになっているところもあるのかもしれないが、それでもトーンを合わせた(ように思える)静観ぶりは正直なところ、意外なほどだった。

そうしているうちに、新型コロナ感染のリスク……密のほかにアルコール摂取の環境など……が判明するとともに、ランチタイムなどへ多くの韓流ファンが戻ってきたのである。