IOCが「開会式縮小」に反対する理由…東京五輪の「本当の主役」は米テレビ局
組織委の森喜朗会長は延期が決まって以来、東京五輪の開会式の規模を縮小する案を掲げている。コロナ感染のリスクを減らすためには妥当な考えに思えるが、IOC は一貫してこれに反対している。
「IOCが開会式の規模縮小に反対するのは、NBCに配慮しているためなのです。五輪が中止にならなければ当然、保険は下りない。しかしどうにか開催が実現しても、ハイライトのひとつである開会式がショボショボになってしまったり、全体的に『冴えない大会』になってしまったりしたら、NBCのビジネスには打撃です」(前出・大会関係者)
NBCが痛手を被れば、それは将来の五輪ビジネスにも響く。NBCはすでに2032年までの五輪放映権を76億5000万ドル(約7920億円)で獲得しているのだが、東京五輪が失敗に終われば、これが見直される可能性も出てくるのだという。
NBCが東京五輪でのビジネスを成功させられるかどうかは、開催式の規模だけにかかっているわけではない。それよりも技術的な難題が、早期に持ち上がる可能性がある。