『映画秘宝』はなぜ失敗したのか 権威化した人々がやるべき事|久田将義
そこから岩田氏の謝罪ツイートがアップされるのですが、前記したように『映画秘宝』で働いていたフリー編集者から町山さんら幹部の圧力があったと告白されてしまいました。
因みに町山さんについては、お会いした事はないながら、仕事ぶりはリスペクトしていました。別冊宝島もそうですし、ここ10年で言えば、例えば日垣隆氏や上杉隆氏との論争(と言ってよいやり取りでした)で、コテンパンにした事も含めて。
少し話がそれますが論争について。たびたびネット上では論破という言葉が使われますが、疑義を呈したいと思います。
論破問題は別の記事に書いたり話したりもしましたが、ニコ生黎明期に、僕も色々聞いていました、論争生主たち。滑舌が良く、相手に喋る隙を与えず、言葉のやり取りをする。口ごもる相手。そこで「はい論破」と言って終わっていました。ニコ生のコメントでも「カッコいい」みたいのも流れていました。今も「論破はカッコいい」という風潮があります。けれど、滑舌が悪く、冗舌でない人の言っている側が真実を語っているかも知れません。これだとアナウンサーが一番の論客という理屈になってしまいます。正直言って、「論破」はくだらないと思います。
閑話休題。
だからと言って、町山さんの過去の仕事ぶり、例えば上杉隆氏をやり込めたのに対しても、あーだこーだ言われるのは間違っています。「間違っている」という断言的な表現を使うのはメディアの末席を汚す者として、あまり使いたくないですが間違っています。自分の経歴すらハッキリと語れない自称ジャーナリストが語るニュースを信じられますか、という話です。
最後に『映画秘宝』の被害者の方に対する、対応は最悪です。それはカン違いした権威を持つものがやらかした典型的な例です。これを忘れてはいけません。オーソリティになればなるほど、腰を低くするべきという事を『映画秘宝』騒動を見て学ぶべきです。(文◎久田将義)
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