偶然か、必然か…未解決事件の真犯人を奇跡的に描き出していた映画『殺人の追憶』|李策
何よりもまず、顔が似ている。パク・ヘイルの方が男前ではあるが、目鼻立ちは「同じタイプ」と言えるだろう。
また劇中、ソウルから派遣されたソ・テユン刑事(キム・サンギョン)
はパク・ヒョンギュに対し、「お前が軍から除隊してここの工場に来た後から、地元で事件が次々と起きているんだ」と迫る。実際、華城の事件は李春在が軍を除隊し、帰郷した直後から起きていた。そしてなんと、李春在の出身地は、映画でパク・ヒョンギュの出身地として設定された所と同じだった。
一方、李春在は1986年5月に発生した6件目の事件以降、3回も捜査線上に浮かびながら、逮捕を免れた。原因のひとつは、8件目の事件(1988年9月)現場で採取された証拠の血液型鑑定だった。
国立科学捜査研究院が現場に落ちていた陰毛を鑑定したた結果はB型。李春在の血液型はO型だった。DNA鑑定の結果が一致せずパク・ヒョンギュに対する捜査が挫折した映画のストーリーと、よく似た経過を辿っていたわけだ。
警察のでっち上げ
当時の血液型鑑定は不正確だったことが後に判明しているが、この間違いにより犠牲者が生まれた。