「ぼったくり潜入動画? ありえない」 現役ヤクザが解説するYouTubeの嘘
―ー「先ほど、動画を見て頂きました。率直な感想をお聞かせください」
A氏「初見で見ての感想だけど(おかしい所は)料金の話をするところとか早すぎる。ストーリーが早すぎる。(店の)金額なんかわかんねえから、その店の。俺らは」
―ー「じゃあ、あの動画(註・読者の皆さんはどの動画かはご想像にお任せします。有名動画です)の展開は……」
A氏「ありえない」
即答するA氏。
A氏「逆に俺らはぼったくりバーのケツは持てないよね」
―ー現役の方は持たないんですね。
A氏「持ったとしても店でヤクザが暴れたとか、従業員が殴られたとかであれば、俺は出るけど、基本料金(トラブルの)話を持って来られてもうちでは受けない」
B氏「(そういった事では)ヤクザはまず出ないですね」
―ーYouTuberが来て、この料金は払えないとごねても……。
A氏「店でアレしろよって話で、逆に(ぼったくりの)店にケツ持ってくださいって言われても俺は断る」
―ーなるほど。それはBさんも……。
B氏「そうですね。自分も断ります」
―ーそれは、なぜ断るのですかね。
A氏「ハハッ。それはそんな店のケツを持つ道理がない」
B氏「そんなぼったくりの店が堅気の方を……。自分らからすれば弱い者イジメじゃないですか。そういった店の面倒は見れないですよね。ヤクザとしての本分は弱きを助け強きを挫くのが任侠道ですから」
―ー(両氏の)親分からの教えもそういったものなのですね。
A氏「そうです」
―ーぼったくりバーというのはそれに反していると。
B氏「そうです。反していますね。逆に(ぼったくりバーを)見つけたら潰さないといけない。ダメだよっていう」
―ーなるほど
B氏「だからありえないですよね。(YouTubeで)ヤクザが出てくるとか、上が出てくるとか」
A氏「そんな安くねえよな(笑)」
B氏「ハハハ。安くないです。逆にそんなのヤクザが行っても脅迫でパクられますし。そんなの安いところですよ」
―ー逆にパクられてしまったら組織での立場も「お前こんな事をやっているのか」
という話になりますか。
B氏「そうでよすね。やっぱり上が……」
A氏「快くは思わないよね。他(の組織は)どうか分からないけど俺らはそうだから」後編に続く。(文@久田将義)