番長がいた時代 古書『ツッパリ』と東京都内を跋扈していた少年ヤクザ

それには、理由がありまして自分の同級生の先輩が会長をしていた「関東番長連合憂誠会」について、調べたかったからです。そもそも「ツッパリ」も死語ですが、番長をこれほどまでに堂々と押し出していた時代があったとは感慨深いものがあります。

本の中には色々な中学・高校の番長が登場してくるのですが、「関東番長連合憂誠会」を見てみると二代目は浅草が総本部。構成員は本書によると1,000人。規模が現在と違います。その先輩の14歳の時の写真も掲載されていましたが、スーツにサングラス、パンチパーマ。中学生には思えず、いわゆる「少年ヤクザ」です。今でいう、半グレになるのでしょう。とは言え、中学生で愚連隊を作り、配下に1,000人の構成員というグループの会長(繰り返しますが中学生)というのは並みではありません。

その他にも、『ツッパリ』には大田連合、足立連合、品川連合、葛飾連合等々が登場。いわゆる、今でいう関東連合などの暴走族とは別に、学校で連帯した「連合」があった訳です。当時は、校内暴力も激しく著者の秋元誠さんは、少年たちの暴力性に興味があってこの本を上梓したのではないかと思います(その他にも不良少年・少女たちの著書多数)。

元関東連合・石元太一氏が答える 絵本作家のぶみさんが総長だった『池袋連合』について|久田将義 | TABLO 

当時、『ツッパリ』に掲載された少年・少女たちも今や50代半ば。きっと、多分、良い人生を過ごしているに違いないと願ってやみません。(文@久田将義)