日本人はなぜ小室圭氏をバッシングし続けるのか

そして、愛子さまに対しても同じような批判が起きた。雅子妃への批判の延長だ。

・不登校を続けるのはよくない。雅子妃もそれを容認するのは天皇家としてはおかしい
・突然細くなり過ぎた拒食症なのではないか。育ち盛りのダイエットはやめた方がいい
・表情が暗い。子供なのであれば、もっと明るく快活な表情であるべきだ。

結局天皇制については、かつては側室もあり、男児を生む可能性は高かったから続いているが、近代で側室というものは馴染まない。だから、雅子妃の場合は、女児(愛子さま)1人だけを生む、という結果になったのだが、これに対し、批判が巻き起こったのだ。

天皇家をめぐる専門家やネットの議論の対象は「男性しか天皇になれない」「女性宮家も認めよ」「女性天皇も認めよ」といったところにある。いずれも天皇家とは別で天皇の研究家や歴史学者、そしてメディア、保守派・リベラル等政治的思想を持つ人々が場外でその是非を勝手に議論しているだけなのだ。

小室夫妻についても、結局は、税金が使われるかどうか、日本国民の象徴としての天皇家に小室圭さんがふさわしいのか……といった感情面でのバトルだらけだった。

過去、「雅子」と呼び捨てにした『噂の真相』編集部に右翼団体の構成員がやってきて岡留編集長と川端副編集長らに暴力行為をふるった際、天皇家について言及するタブーが改めて明らかになったが、それ以来、「生粋の天皇家」以外はバッシングをしてもいい、という空気になった。

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それが雅子妃であり、小室圭氏なのである。

果たして小室夫妻をめぐる騒動はこれからどうなるのか? 恐らく日本社会は2人の失敗を求める空気が強くなるだろう。自分と関係のない人々の失敗を求める惨めな性根の日本人、心底オレは嫌いだ。(文@中川淳一郎 連載「俺の平成史」)