平成のお色気番組が今も続いていたら 「トゥナイト」「11PM」「ギルガメッシュないと」の功績を振り返る

かつて『女だらけの水泳大会』的な番組では、女性タレントのビキニの上から「ポロリ」をするシーンが定番だったが、これも平成初期まで続いていた名物企画だったのである。本連載では過去には昭和、ここ数年は平成を振り返っているが、令和になってから振り返るとあの時代は無茶苦茶だったと思うことが実に多い。今回の「地上波テレビの深夜番組はエロかった」を筆頭に、他にも以下のようなものがこの数十年前には存在していたのである。

・飛行機・電車の中でタバコが吸えた
・電話は固定電話しかなく、基本的には家に電話をし、取り次いでもらっていた
・携帯電話がないものだから、飲み会等の待ち合わせは駅前だった
・遅れてくる者は掲示板に「遅いぞ山田、『つぼ八』にいる」などと書かれていた
・しかも、店に予約をするという習慣はなく、空いている店に入っていた
・公衆便所には本当に「便所のらくがき」が多数書き込まれて会った
・出会い系サイトもマッチングアプリもないため、テレホンクラブ(通称・テレクラ)に男達は通い、女性との出会いを求めた

冒頭のエロ民放TVの話に戻るが、実に当時はエロというものが、今以上に秘め事だったかが分かるだろう。男たちはエロに触れるにあたり、律義に深夜になるのを待ち、そして、「この瞬間を逃してはならぬ」と必死だった。

別に人間のエロへのあくなき欲望は衰えることを知らないが、平成の時代のエロとは今から見れば、そこにかけるパトスはなかなか真剣だったのでは、と今になって思えるのである。(文@中川淳一郎 連載「俺の平成史」)