平成エロティシズム史をたぐってみた 文化としての「エロ」考察

歌舞伎町もエロティシズムの街だった。

平成は「エロ」における「おかず」が進化した時代だった。昭和の時代はエロ本が中心で、雑木林や橋の下に行くと、雨で塗れた後乾燥し、ガピガピになったエロ本を小学生だった我々は調達をしたものである。そして皆でのぞき込み「うわっ、すげー」「うわっ、でけー!」などと感想を述べあったものだ。また、デパートの中のエロ本コーナーに我々がズラリと並び、エロ本を読んだ。

ビデオデッキが1980年代前半から普及するのに伴い、エロビデオとレンタルビデオ屋は隆盛を迎える。平成に入ってもこの2つは男どもに大人気。その後VHSからDVDに形態は変わったものの、エロコンテンツはレンタルするものであることに変わりはなかった。

しかし、インターネットの登場でその様相はガラリと変わる。エロサイトにアクセスし、お手軽に一人遊びができるようになったのである。これまで、「若い女性店員を避け、男の店員の手が空くまで待つ」といった技を駆使していたエロ男どもは、この手軽さに狂喜乱舞した。

そして、この頃新たに開始した文化がある。海外の無修正サイトの有料会員になった男は、その感動をシェアしたいのか、パソコンにエロ動画をダウンロードし、CD-Rにその動画を焼いたのである。ちなみにこの「CDに焼く」という言葉は最近の若者は知らないのだという。

かくしてエロ文化はよりお手軽になり、「海外にサーバーがある」ということから無修正動画もいくらでも見られるようになった。そして、大きかったのがスマホの誕生である。エロ動画はパソコンで見るものだったが、パソコンの場合、実家暮らしの男や妻がいる男が見る場合、「いつ部屋を突然開けられるか」という恐怖が共存した。だが、スマホの誕生により、便所でエロ動画を見ることができるようになったのだ。コレはデカい。常々「新しいハードの普及にはエロが必要だ」といった言われ方をされてきた。それはVHSとDVD、そしてPCもそうだった。そこにスマホが加わったのである。