女格闘家ぱんちゃん璃奈選手こと岡本容疑者 格闘家と社会性について考えてみた
が、これは被害者がいる刑事事件なのです。約10万円が今の時代、庶民にとっては高額です。被害者の方はプライバシー保護のため、どのような人かは分かりません。ただ10万円の大金を出して、天心選手と武尊選手のサインを求めたのは熱心なファンではないでしょうか。
プロのスポーツ・競技選手が一番大切にしなければならない存在、それがファンではないでしょうか。ファンが一人もいなくなったジャンルは崩壊します。ファンあってのプロであり興行が成立します。そのファンを騙した事を小さく考えていはいないでしょうか。
被害者の方は、もしかしたら必死に頑張って10万円を貯めて、サインを買ったのかも知れません。その「必死さ」をないがしろにしたのはどこかの詐欺師ではなく、プロの格闘家でした。
道義的にもそして、まず社会的にも「罪」(まだ被害届を下げたり、不起訴になる可能性もあるのでカギカッコつきです)を償わなければならないのではないでしょうか。
シュレック関根選手は元警官という立場もあり、また社会人経験も長い事から「まずは被疑者できなく被害者に寄り添わなければ」という主旨のツイートをしています。これが社会人としての真っ当な意見です。
仲間をかばう気持ちは分かります。僕もそうするでしょう。が、それは罪を償った後の事です。
まずは被害者の方の10万円と、格闘技ファンであることを止めないで頂きたい旨を呼び掛けるべきではないたでしょうか。
格闘技は非日常であり、選手たちは身体を張っています。だからこそ我々も熱狂し、格闘家たちにリスペクトを抱きます。そしてファンあってのプロ。そのファンを騙した人をプロと呼んで良いのでしょうか。まずは被害者の身になって考えて頂きたいものです。格闘技界以外の一般の社会では、恐らくそのように考えると思います。
格闘技界と一般社会の意識が乖離してしまわないように願います。でないと、格闘技が一般の人たちから支持を得て、またブームが起きるような事はないのではないのかと危惧します。
また、余罪や共犯の疑いを兵庫県警所轄は取り調べているとは思いますが、そこは被害者の気持ちになって注視したいと思います。(文@久田将義)