「安倍晋三元首相に最も食い込んだ」岩田明子さん 阿川佐和子さんとの対談で思わず出てしまった本音に注目してみた│プチ鹿島

岩田氏と言えば安倍元首相に「最も食い込んだ記者」(自著の帯文)と自称されています。その近さについて、阿川さんから「そこまで政治家と記者って親密になるもんですかねぇ」と聞かれた岩田氏の答えがすごかったのだ。

「政治家って孤独なんです。政治家同士だとみな一国一城の主だから、寝首をかかれる可能性がある。そこで相談できる人となると、情報管理に長けていて、しかも内情をよく知っている人、つまり記者はその条件を満たす職種になるんです」

ええええ、これが「記者」!? そんな役割もあるの? ちょっとびっくりした。さらには、それゆえの苦悩みたいなことも語っていて、

「情報を漏らさずに全部抱え込んだら談合記者になってしまう。得た情報はどこかで必ず出さなきゃいけない。利害が取材先と必ず激突するんです」

とも語っていた。私が注目したのは「情報を漏らさずに全部抱え込んだら」の「全部」という部分です。これって「何かを報じないこともある」と語っているようにも読めました。政治家のゴーサインが出たものを報道するのでしょうか。私が行間を読みすぎなのでしょうか? もし誤解だったらいつかご本人に直接、記者論を徹底的に聞いてみたいです。

それにしても「ジャーナリスト」を名乗る人にこんなことを気持ちよくペラペラ喋らせてしまう阿川佐和子さんの「聞く力」はお見事でした。岸田首相もお手本にしたらどうでしょう。(文@プチ鹿島 連載「余計な下世話」)