「絶対にゆるさないからな!」 焼肉店で大暴れし警察官の胸ぐらを掴んだ男の裁判を見てきました

「昔は乱暴だったけど最近は抑えることが出来ていた、って言うけどさ…」

裁判官は彼にゆっくりと語りかけていました。

「それは表に出なくなっただけで、乱暴なのは治ってないんですよ。当時のあなたがいなくなったわけではないと思います。酒飲むと昔のあなたが出てきちゃう。酒で理性が弛んでいるときに出てくるのが本来のあなたです。そう思います。お酒とのつきあい方はもちろんだけど、自分がどういう人間かちゃんと見つめ直した方がいいと思いますよ」

彼にかぎった話ではなく、法廷で
「酒に酔っていてやった」
と話す者はたくさんいます。

たしかに酒に酔っていたのは事実かもしれません。しかしそれは事件を起こした要因の一つでしかありません。どんなに酔っていてもほとんどの人は違法行為で捕まることなどありません。

今回公務執行妨害で裁判を受けていた彼は、抑えていたはずの昔の粗暴な自分が出てきてしまったようです。犯罪まで犯すケースは特殊かもしれませんが、理性が弛んでいるようなときにででくる本来の自分、がどういう人間なのか。その自分をちゃんと認識できている人は実は多くないのかもしれません。

自分の姿は自分では意外と分からないものなのです。(取材・文◎鈴木孔明)