『スイミング・マガジン 2018年 07月号』より
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日本女子水泳界のエース池江璃花子選手が自ら、白血病をカミングアウトしました。これから治療に専念する訳ですが、桜田義孝五輪担当大臣の、
「金メダル候補で、日本が本当に期待している選手なので、がっかりしている。早く治療に専念して頑張ってもらいたい。また、元気な姿を見たい。1人リードする選手がいると、みんなつられて全体が盛り上がるので、その盛り上がりが若干、下火にならないか心配している」(NHK NEWS WEB 2019年2月13日付より)
という発言が心無いものとして、批判が集中しています。当然でしょう。
人の命の尊厳にかかわる問題にもかかわらず、「盛り上がりが下火にならないか心配している」と発言。だったら「下火にならないよう、盛り上げるのが担当大臣の仕事だろう」と誰もが思うでしょう。
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何より、「池江選手が一日も早く、プールに帰ってきて欲しい」「無事でいて欲しい」とまず第一に願う。それが「人間として」当たり前の心根ではないでしょうか。彼は国会議員であり、五輪担当大臣です。責められて当然です。
そして、野党が桜田大臣を罷免要求したりする、すなわち池江選手の命を政争の具にするのは、人間の命の尊厳をどう考えているのかと批判せざるを得ません。桜田大臣のコメントと同レベルです。
そう思っていた矢先、やっぱりやってくれました。立憲民主党の蓮舫議員です。
「この大臣はもはや論外。五輪を担う資格さえないし、人としてどうなの。予算委員会に備えようと、再度思いました。」と2月13日にツイート。
いや、「備え」ないで頂きたい。池江選手はそっと見守って、帰還のおり拍手で迎えるのが政治家である前に人としての振る舞いではないでしょうか。まだ18歳の女性の、そして日本を世界を代表する選手の命に関わる問題を政争の具にする愚は止めて頂きたい。まずは、わずか18歳で白血病にかかってしまった池江選手の無事を祈るのが、政治家としてすべきことなのではないでしょうか。
自民党も桜田大臣のような、こういう迂闊、というより言葉だけ捉えれば人を人とも思っていないような政治家を大臣に据えた責任もあります。また、野党も何でも政争の具にすればよいというものではないという事をどうか、少しでも心に留めておいては頂けないでしょうか。国会で与野党の政治家同士が池江選手の名前を出して、口角泡を飛ばして争うさまを想像すると、おぞましく思えてきます。
池江選手の生命と尊厳は貴方たち政治家の政争の道具ではありません、してはなりません。 (文◎久田将義)
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