年間、100万人以上の観光客が日本から訪れる『微笑みの国、タイ』。国民の95%以上が敬虔な仏教徒でありながら、一方では風俗大国の顔も持つタイでの夜遊びといえば、一般的にゴーゴーバーという女性従業員の連れ出しが可能なバーや、MP(マッサージパーラー)と呼ばれるいわゆるソープなどがありますが、しかしこれらは基本的に男性向け。もちろん、女性であっても、交渉次第で買えないことはないようですが、しかし、レズビアンではないのに女性を買っても持て余してしまうのが正直なところ。しかし、せっかくタイに行くのならば、普段とはなにか違う経験がしてみたい......というわけで、ゴーゴーボーイズバーです。
ゴーゴーボーイズバーはその名の通り、ステージの上で踊っているゴーゴーボーイの中から気に入ったコを見つけてペイバー(店に連れ出し料金を払って外へと連れ出すこと、ゴーゴーボーイには別途チップが必要)するシステムのバーですが、ペイバーはせずにお店の雰囲気やステージのショーを楽しむだけでも可能です。その場合は、ドリンク代(店に寄りますが、相場としてはビールが200バーツ=600円程度)のみしかかからないので、入店する勇気さえあれば気軽に遊ぶことが出来ます。しかも、女性の在籍する通常のゴーゴーバーと比べても、ゴーゴーボーイズバーのショーはクオリティーが高く、見応えも充分。というわけで、今回訪問した、タイの首都バンコクと、美少年が多いと噂のタイ北部の古都、チェンマイという2都市のゴーゴーボーイズバーをレポートします。
最初に足を運んだのはチェンマイにある『アダムアップルズクラブ』。ショータイムの少し前に入店し、ドリンクを注文すると、ビールとともに顔の上部半分が隠れる仮面が配られました。見れば店内の客(わたしと連れの女性以外、全員男性)や、白ブリーフ一枚で店内をうろついているゴーゴーボーイたちも皆、仮面着用のアイズワイズシャットスタイル。どうやらその日はマスクパーティーで、ペイバーしないとその下の顔は観れない様子。少し残念な一方で、「マスクを取ると、どんな顔をしてるんだろう」という期待感を持つのも確か。
肝心のショーはというと、スパイダーマンのコスチュームや背中に羽、スーツにギターケースを抱えたバンドマン(!)などのコスプレに身を包んだゴーゴーボーイ達が、代わる代わるステージにあがる顔見世に始まり、ノーパンにヒョウ柄の腰ミノ&獣耳をつけた青年が、剥き出しのペニスをチラチラとはみ出させながら、しなやかな身のこなしでステージを駆けまわったり、はたまた、シルク・ドゥ・ソレイユのCMで聞き慣れた『アレグリア』の音楽に合わせて、エキゾチックな柄の腰ミノから、これまた勃起したペニスをチラチラさせてのダンスといった、期待通りのショーが満喫できます。おまけにショーの間の休憩時間には、全裸の青年(ジャニーズなみの美少年!)が「シェイクハンド」と行ってギンギンのペニスを突き出してきたりも......。残念ながら、ドッキングショー(公開アナルセックス)やフェラチオショーは観ることが出来ませんでしたが、後から調べた情報に寄ると、深い時間帯にはあった様子。残念です。
リベンジを誓って次の向かったのはバンコクの『Tawan Bar』。シーロム周辺のソイ・ゴーゴーボーイというゲイタウンにある『Classic Boys Club』では、水中全裸バレエショーやドッキング(タイポップスに合わせて立ちバックでつながりながら、客席を練り歩いたりします)も見ることが出来るのですが、今回は個人的な趣味を優先させて『Tawan Bar』をチョイスしました。
さて、この『Tawan Bar』の特徴といえば、在籍男性が全員マッチョなこと。もちろん、他の店のボーイズ達も売り物である『肉体』をそれなりには鍛えているのですが、この店はレベルが違います。完全バンプアップした"でかい肉体"なので、筋肉フェチの女性にはたまらないと思います。ちなみにこのお店はビールが一杯300バーツ。日本円にすると1000円しないくらいですが、タイの物価からすると破格のお値段です。
ショーは一日二回で22:30からと00:30から。22時ちょっと過ぎに入店すると、前座のドラァグクイーンがリップシンクで、タイの歌謡曲に合わせて踊っていました。それが5曲ほど続き、たっぷりと焦らされた後にいよいよボーイズたちが登場。白ブリーフ一丁で、ボディビルのポージングをする顔見世からスタートし、レザーのTバックショーツといったいわゆるハードゲイのイメージのあるコスチュームを身につけてのSMショー(もちろん男同士)や、カウボーイルックでのダンスショー、また、『王国が侵略され、征服者たちに忠誠を誓う』といったストーリーのあるフェラチオショーなどが繰り広げられていきます。
最中、ショーに出演していない白ブリ一丁のゴーゴーボーイが通りがかりに横腹の辺りをツン、と指で突いてきたり、ニヤリと誘いかけるような笑みを投げかけてきたりと、細かくちょっかいは掛けてくるものの、ドリンクをねだられることもなく安心。
試しに店のスタッフに『お持ち帰り』のお値段を尋ねたところ、店へのペイバーが500バーツ(1500円)、ゴーゴーボーイへのチップは交渉次第だが高くても2000バーツ程度(6000円)とのこと。もちろんセックスをお金でやり取りすることに対する賛否はあると思いますが、セックスなどはなしで一緒にディスコに行ったり、また、観光案内を頼むこともできます。客のほとんどは男性ですし、入る時にも緊張するかもしれませんが、入ってしまえば女性だからといって排他的な空気もなく、ウエルカムな雰囲気で歓迎してくれるので、勇気と興味のある女性は、挑戦してみてはいかがでしょうか。
Written Photo by 大泉りか