「メンヘラ・マウンティング」 新宿のマンションでホストをメッタ刺しにした女の“生の扱い”|春山有子
「彼女は安定剤と酒を一緒に飲んだり、安定剤と睡眠導入剤を同時に大量に飲んだり、さらには洗剤を飲み込んだりと、常に自らに死を突きつけているような子でした。連絡がとれなくなることは頻繁にあり、そのたびに『オーバードーズで倒れていた』と自重気味に話していましたね」
彼女の最期は、唐突に訪れたといいます。
「あるとき、行きつけのホストクラブに行って、『トイレに行く』と言い残したのが最後、Dビルの屋上から飛び降りたんです」
また、今回の事件と「かぶる」とAさんが話すのは、こんな出来事。
「整形せずに読者モデルをやっているような綺麗な子がいました。彼女の彼氏は有名ホストで、彼女は彼の勤務先に行っては応援の意味合いを込めてお金を落としていました。でも、彼は客を相手に枕をしていた。そうした現実に耐えきれなくなったのか、ある日突然、彼の勤務先ビルの屋上から飛び降りてしまったんです。今回の犯人と彼女の違いは、狂気が相手に向かうか、自分に向かうか、だけではないでしょうか」
「とにかくあの辺じゃ、“生”は傍若無人に扱ったほうがかっこいい、という風潮は否めない」と話すAさん。だからでしょうか、犯人の返り血を浴びた犯人の画像が出回っても、
<可愛すぎる>
<エロい>
<官能的で猟奇的だけど日常的な色気のあるいい写真でしたね>
<アニメでいうなら我妻由乃タイプの病みだよな>
<投稿見てると繋がりたいってタグ多いから寂しかったんだろうか(略)こんな子悲しませちゃダメぜたい 絶対一途でいい子じゃん>
と、崇める声が多く上がったり、画像をイラスト化したものがSNSに投稿されたりと、人が滅多刺しにされているのに、どこか深刻さを欠いた人間で溢れているのかもしれません。(文◎春山有子)
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