【参院選総括】全野党の一斉崩壊ビッグバンが早くも秒読みか…「あの男はタイミングを伺っている」
このたびの参院選で8議席を得たみんなの党だが、もし「惨敗」なら党の存亡の危機だったという話を聞いた。現有議席3議席から5議席増えたわけで、「まずは一息ついた」とみんなの党の関係者は述べる。
一番の懸念は埼玉選挙区だった。民主党からみどりの風に合流し、その後にみんなの党に参加した行田邦子氏は、渡辺喜美代表の1本釣りと言われる。
どうして渡辺氏が行田氏を誘ったのか。それは行田氏が「渡辺氏の好みそうなタイプで、最初に行田氏が議員総会に出席した時、渡辺氏の顔は緩みっぱなしだった」と同党関係者は語る。
「オーナー気質の渡辺氏は、自分が頭が上がらない議員をそばにおきたがらない。自分より若く、頭が切れるわけではなく、しかも綺麗な女性ならいうことがない」
そのお気に入りがもし落選していたなら、渡辺氏の求心力が一気に落ちるかもしれなかったということだ。
実際に、みんなの党の内部は微妙な関係だ。代表の渡辺氏と幹事長の江田憲司氏とが対立している。
それをあらわす事件が今年4月3日に勃発した。渡辺氏は突然両院議員総会を招集し、政調会長の浅尾慶一郎氏を選対院長に起用しようとしたのだ。渡辺氏は親しい議員には電話で連絡したが、幹事長の江田憲司氏には事務所にfaxを入れたのみ。別件の用事があった江田氏は欠席せざるをえなかった。
結局、江田氏を選挙本部長代理に選任してなんとか収めたが、4月18日の朝日新聞で渡辺氏は、さらに問題を再燃させるかのような発言を行った。江田氏との確執を聞かれ、「幹事長は私のような広い視野ではなく、維新との交渉当事者としての視点で発言している」と、まるで「江田氏は視野が狭い」といわんばかりのコメントを出したのだ。
渡辺氏は5月16日、橋下徹日本維新の会共同代表の慰安婦発言を受けて「一線を画したい。党としての見解であれば今までの関係は見直す」と述べ、維新との連携に尽力した江田氏の顔を潰した。さらに江田氏が大嫌いな松沢成文前神奈川県知事を参院神奈川選挙区に擁立した。江田氏は「極めて遺憾だ」と憤懣やるかたない様子で語ったという。
だが江田氏がいつも渡辺氏にやられっぱなしというのはあるのだろうか。同党関係者は述べる。
「参院選挙の後に、野党の再編成が始まる。維新も内部では不満がくすぶっているし、民主党は崩壊寸前だ。その中で、いかにいい人材を集めるかが重要だが、江田氏はタイミングを見ているんだと思う」
実際に橋下氏は21日、「次の衆院選を目指し、野党がまとまらないといけない」と述べた。維新と近い民主党の前原誠司氏は、代表経験者が一同会した新橋の街宣にも姿を見せず、自党の危機に表だった行動を慎んでいる。
秋の国会は政局で荒れそうだ。
Written by 安積明子
Photo by 愚直の信念/PHP研究所
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