【業界内幕】K-1格闘家が明かす興行の真実!選手にも求められる「営業力」とは?

 

 突然ですが皆さん格闘家に求められる能力とはなんだと思いますか?

「格闘家なんだから強さだろう」と思いますよね。

 強さももちろん必要ですが「人気」が非常に重要なんです。チケットを売る営業力と言ったほうが良いいかもしれません。

 

 日本の場合は格闘家のファイトマネーというのは全額チケット払い、あるいは現金+一部チケット払いというケースが多く見られます。

 例えばファイトマネーが10万円としたら10万円分のチケットをもらい、選手はそれを売って現金化してファイトマネーにします。

 当然1枚も売れなければファイトマネーは0円。一部チケット払いの場合はチケット5万円+現金5万円という感じです。

 

 このように格闘家は格闘家+営業マンの一人二役をこなしているんです。

 ちなみに先程の例でいうとファイトマネー分10万円のチケットを売り切って、更に売上を上げた場合は平均して2割程がキャッシュバックされます。

 つまりファイトマネー10万円、更に10万円分売り上げると総収入は12万円になります。

 選手がブログなどで「チケットご希望の方はメールを下さい!」と書いているのはこういう理由があるんですね。

 人気のある選手や営業能力の高い選手は数百枚のチケットを売り上げます。

 僕が知っている中では1000枚近く売り上げた強者もいます。

 そのキャッシュバック分だけで並の選手のファイトマネーを軽く超えます……。

 

 格闘技に限った話ではありませんがプロスポーツは「興行」という側面が強いので「人気」「話題性」というのが非常に重要になってきます。

 選手は試合前のインタビューで過激な発言やパフォーマンスをするのはなんとかして盛り上げようという気持ちの現われなんです(中には天然な人もいますが……)。

 これを言ってしまうと選手はやりにくいかもしれませんが、実際はほとんどの選手が礼儀正しくて良い人達です(笑)。

 

 とくに小規模な会場で行われる格闘技の場合は人気のある選手というのは団体にとっても非常にありがたいんですね。

 テレビ放映がない競技の場合は会場使用料やファイトマネーなどのもろもろの経費を考えたらチケットソールドアウトでもそれだけでは赤字になる所も多いでしょう。

 スポンサーのお力をお借りして、何とかやりくりして少しでも面白い興行をしようと頭を捻ってます。

 そんな状況下ではやっぱり強くても地味な選手よりも、人気があってチケットを売る営業能力のある選手のほうが試合の機会に恵まれるんですよね。

 その選手が試合をすると団体が営業しなくても集客が見込めますから……。

 

 ここからがポイント。

 ほとんどの選手が副業(そっちがメインで生活の糧を得ているので本業といったほうが正しいのですが)を持っています。

 仕事を終えてプライベートの時間が練習時間になります。

 ところがチケットを売るために交友関係を広げようと思ったら仕事が終わっていろんな人と交流する必要があります。

 そうなると練習する時間が……。

 チケットの営業をする必要があるのは試合前です(自分の試合がない時は売らなくてもいいですからね)。

 格闘家は試合前ほど営業に頑張らなければならず、練習に専念できない環境なんです……。

 

 なのでこれを読んでる皆さんにお願いです!

 少しでも「見に行こうかな」と思ったら是非選手から買ってあげてください!

 その一枚が選手の糧になるんです!

 収入になるのももちろんですがチケット売上が増えると「これだけ多くの人が応援してくれている!」と実感できてモチベーションも上がります。

 そして会場に行ったら声を出して非日常の空間を目一杯楽しんでください!

Written by 大野崇・KIファイター、トレーナー

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