就活セクハラ 就職活動を出会い系と勘違いしセクハラ三昧の企業側社員 この理不尽な行為を変質者と言わず何と呼ぶ|春山有子

ところで筆者は、新卒時も中途時も就活セクハラを受けたことがなく、周囲の友人たちからもそういった話は聞いたことがありません。

2000年代前半に就職活動をした筆者らは、#圧迫面接 がトレンドだった世代です。みな圧迫面接に胃をキリキリとさせ、威圧的な社員らの言動に耐えながら50社受けて1社最終面接まで行けば万々歳、といった時代でした。筆者も唯一最終面接までたどり着いた会社の社長に、「おまえは波風を立てる顔つきをしてるな。要は自己中心的で我が強そうだってことだよ」と、場末のスナックで初対面の「趣味:説教」みたいな中年男性が言いそうなセリフを言われたことは忘れられません。当時はなんて失礼なんだと腹が立ちましたが、現在はフリーランスが水にあった生活をしているので、社長の人間を見る目はさすがだと言えます。

……というのは余談ですが、上記(2)については、痴漢被害にしか思えません。「うほー! かわい子ちゃん! あぁ〜良いケツしてんなあ。俺のどタイプ! 付き合いてぇなあ〜。ハメてぇなあ〜」なんて頭の中の声を就職活動の面接やそれに準ずる場で発することができるなんて、変質者以外の何物でもありません。

だからこそ上記(3)や(4)は、「スカートを履いているから痴漢をされるのである。あなたが悪いのである」といった痴漢二次被害の典型にしか見えません。

入社してある程度の人間関係が出来上がったり、それぞれの性格を把握した上で、酒席で「おっぱい大きいよね」等言われてからの“受け流し”なら、できるかもしれません。

ですがここは就活の面接の場。「入社するために面接を受けに来ている人間に対し、突然性行為を迫ったり卑猥な言葉を浴びせる」という行為は、「通勤のために電車移動している人間に対し、突然体を触ったり耳元で卑猥な言葉をつぶやき続ける」という痴漢行為とまったく同じように見えるのですが、いかがでしょうか?

痴漢は満員電車や深夜の路上だけではなく、真っ昼間も会社の応接室(または会議室)にも出没するのだと、肝に命じておきたいですね。(文◎春山有子)

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