渡辺謙、真田広之、赤西仁…だけではなかった 日本で8年間、役者として日の目を見なかった俳優がアメリカへ渡り成功|後編

「ニューヨークの演劇学校で勉強していたときに同じクラスにブロードウェイの舞台に出演中のベテラン俳優がいたんです。彼女はお金を払って昼間にクラスでトレーニングを受け、夜に客が100ドル以上を出して観る大劇場でパフォーマンスをしている。日本では考えられない光景と環境ですよね。現場で成長する事が多い日本のシステムは売れっ子以外が果たして勉強できているのか。

また教えている講師は演出家や映画監督が多いと聞きますが、全てが本当にアクティングを教えるプロフェッショナルなのか。良い指導者は俳優がその作品の中で、その役を生きるためのツールを与え、引き出しをたくさん作ってくれるし、トレーニングは美味しいラーメン屋さんがいつも同じ美味しい味を出せるように現場で常に最高のパフォーマンスができる足場を作ってくれます。常に現場にいるベテランはその足場が固まっています」(竹嶋さん)

最高の環境を与えてくれるハリウッド

他の国での俳優の労働環境はまちまちだそうです。

「僕はスタントも基本的には自分でやりますが、2階から落ちるシーンなどでは、やはりプロデューサーからストップがかかります。その場合は同じ背格好のスタントダブルが自分のために体を張ってくれます。中国での撮影では全て自分でやらなくてはいけない。その日の予定が当日変わったり無駄な時間が多い分、契約期間内に全て撮影が終わらず延長ということも」(竹嶋さん)

俳優にとって自分の演技に集中できる環境というものが最も重要である以上、最高のパフォーマンスができる場づくりをするハリウッドに、竹嶋さんはリスペクトを感じています。

「制作チームと俳優陣が良いムードで最後まで良いものを作るために努力ができることが大切なのだと思います。自分のモットーというかこれまではある場所、新しい世界や場所に入ったときに心地よくなり始めたらそれは成長が止まってる証拠だと考え次のステージを目指してきたんです。そういった部分で今こうしてハリウッドで挑戦している事は自分にとって心地よくなる事がない=常に新しい挑戦がそこにある場所なんです。努力をした分結果がついてくる環境、頑張ってる人にいいことがたくさん訪れる世界がここにあると思える限りはここで頑張って行きます」

(文◎野島茂朗)

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