現在の神隠し 資産家の独居老人たちが消えている! 一人っ子だったはずの独身女性の前に現れた謎の「甥」とは

忽然と姿を消す裕福な老人

ちなみに、先の不動産業者は、熱心な学会員で、選挙になると公明党議員のポスターが貼ってあるという。筆者の「なんで不動産業者が老人ホームの世話までするのです」という質問には、「頼まれたから紹介しただけだ」と答えたが、近所の住人の話では、一人暮らしや子供のいない老夫婦の家に老人ホームの案内状を配って勧誘していることがわかっている。

Aさんの甥が本当に甥だったのかは、分からない。Aさんの父親が「Aは一人娘で」と友人に紹介したとしても、年の離れた姉や、異父・異母の姉がいた可能性もあるからだ。従って事件かどうかは、断定できない。

ただ、成年後見制度に最も熱心だったのが公明党の議員であり、同党が国土交通省のポストに拘っていることを指摘しておいた方が良いだろう。現在、この国には所有者不明の土地が九州地方に匹敵するほどあり、さらに年々増える傾向にある。土地に関する情報が集まるのが国交省なのだ。

世間では、それほど話題になっていないが、2000年4月1日に成年後見制度が施行されてから、この手の話が確実に増えている。読者の周りにも、資産家の老人が、忽然と姿を消すような事例が起きているかもしれない。その多くは、成年後見制度による後見人がついて、施設に入った(入れた)のだ。そして、中には遠い親戚や、赤の他人が、年寄りの財産を横取りする為に後見制度を悪用しているケースもあるのだろう。(文◎高田欽一)

 

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