現在の神隠し 資産家の独居老人たちが消えている! 一人っ子だったはずの独身女性の前に現れた謎の「甥」とは

母親の話では、資産家だったAさんの父親は、生前Aさんの女子大の友人たちを自宅に招待し、パーティーを開いていたという。その際、集まった友人たちに「Aは一人娘なので、皆さんよろしくお願いします」などと言っていたというのだ。

一人娘になぜ甥がいたのか、Aさんがどうなったのか、調べて欲しいという依頼が、Aさんの同窓生の娘から筆者に持ち込まれてきたのだが、Aさんがいなくなって(2003年前後)から既に15年以上が過ぎているし、これは調べようがないと思われた。

とりあえず、Aさんが所有し、彼女名義のマンションの不動産登記を見ると、名義は替わっていないことがわかった。登記上Aさんは生きているようだ。

たぶんろくな答えは返って来ないと思いつつ、Aさんのマンションを管理している不動産業者に電話すると、案の定「なんでお前にそんなことを答えなきゃいけない」と言われながら、ようやく聞き出したことは、甥というのは姉の息子で北陸に住んでいる。Aさんは施設におり、3年前にうちの社員が会っている、ということまでは聞き出せたが、女子大の同窓生がAさんと連絡したがっているから、Aさんの連絡先を教えてくれるか、せめて手紙をAさんに渡してくれないか、と頼んでも「ご存知でしょうが、個人情報保護法があるからできません」と断られた。

結局、これ以上は調べられないから、依頼者には「あとは皆さんでお金を出し合って、弁護士を雇って交渉するしかないでしょう」と言わざるを得なかったが、Aさんの同窓生も80歳を超えているので難しいようだ。