ゴーン被告が名前を出す予定だった政治家とは “トークショー”と揶揄された会見の裏側に見えるもの

非世襲議員で叩き上げの政治家だった菅氏には、有力な大企業のスポンサーが少なかった。菅氏が政治家になる時の最大の支援者は、”ハマのドン”こと藤木幸夫氏(藤木企業代表取締役会長)だった。藤木氏は、稲川会系埋地一家の初代総長だった藤木幸太郎氏の息子だ。総理大臣の椅子を狙う菅氏としては、あまり表に出て欲しくない御仁だ。

そんな菅氏の気持ちを知ってか知らでか、藤木氏は写真週刊誌に登場して「俺が山下埠頭にカジノを作る。菅にはもう言ってある」などと、自分の力を誇示したりした。菅氏としては、ヤクザの親分の息子から支援されて総理大臣になろうとしていると批判されないためにも、地元横浜経済界で藤木氏の替りとなるスポンサーが欲しかったはずだ。日産幹部らが菅氏にゴーン追放を相談したとすれば、渡りに船だった。ただし、これは推測に過ぎない。

ゴーン被告の会見を見る限り、政治家の関与について確実な証拠を持っているようには見えない。仮に西川氏らが政府に根回しをしたにしても、ゴーン被告には気づかれないように細心の注意を払っているはずである。ゴーン被告も噂されている以上のことは、知らないように思われた。

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