東京都内・外出自粛の夜 歌舞伎町・ゴールデン街は静まり返っていた 外国人がいなくなって図らずも露呈した新宿飲み屋街の現実
2019年ラグビーワールドカップ開催時には、路地がラッシュアワーの電車内のように人で溢れた新宿ゴールデン街。ほんの1ヶ月前まで多くの外国人観光客が押し寄せ、観光名所として賑わっていた酒場に外国人の姿はほとんどなかった。
それも仕方ない。この数週間の間に世界各国で海外渡航の規制が発表されたからだ。新宿ゴールデン街は欧米、オーストラリアからの旅行者が多く、それらの人々が来日できなくなれば、観光客は一気に減る。また首都圏知事による移動自粛要請のアナウンスも効いたのか、日本人の歩く姿もほとんどない。
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「今日のお客さん、あんたで二人目だよ、普通なら花見シーズンでかきいれ時なのに」
日頃は客ですし詰めの鉄板焼き店のマスターは苦笑した。
「こんなこと今までなかったよ。3・11(東日本大震災)の時だってお客さんは来たんだから。先週までは外国人も飲みに来てたんだけどね」
通りには客の姿より、店主、従業員の姿のほうが目立つ。あまりにヒマなので外の様子をチェックしているのだ。店主どうしが顔を合わせ、苦笑しあう姿も。
実は新宿ゴールデン街では、ラグビーワールドカップの開催中に外国人観光客によるトラブルが多発し、店主たちで作る商業組合内で外国人観光客を何らかの形で規制できないかと問題提起があった。一部には外国人を立入り禁止にするべきとする強硬な意見もあったという。そうした外国人排斥派の理想が期せずして実現してしまったのが今のゴールデン街の姿だ。