道玄坂から消えた中国人女性客引き 「マッサージイカガテスカ」攻撃がないのは有難いが…|中川淳一郎
基本的にはマッサージ店の客引きなのだが、一人で歩く男に次々と声をかけていく。無視して歩いても50メートルぐらいは平気でついてくる。言うセリフは大抵以下だ。まずは「マッサージイカガデスカ」に始まる。そしてこう続く。
「キモチイイヨ」
「オニイサン、カコイイネ」
「オニイサン、ツカレテルネ」
「ジョウズナコ、イッパイイルヨ」
これでも無視すると「スペシャルサービスアルヨ」と来る。スケベな男はここで交渉に入るのだが、基本的なマッサージであれば30分~40分で4500円~5500円ほどで、スペシャルサービスの場合はここに1万円が追加される。要するに「本番」のことだ。
大抵はマンションの一室のような場所がマッサージ場になっており、他の部屋に待機している中国人女性がやってくる。客引きはその店でも美形がやっていることが多く、スケベな男は「おっ、この娘がオレとお手合わせしてくれるのかな」なんて思うとその女性は前金のカネを回収すると再び道玄坂に戻り、新たな客を見つけようとするのだ。
かくしてマッサージの腕はたいしたことがないものの、その後の「本番」だけを目当てに日々男達は客引きについていくのであった。当時は西川口の「NK流」も終わっており、「本番をするなら渋谷の中国人マッサージ店」といった情報も流れており、あそこまで多くの客引きがいたのだと思う。
こうしたマッサージ店の客引きと店員は地元の事情通中国人(居酒屋店員)によると、黒竜江省出身が多いのだという。北京や上海といった発展する都会ではなく、田舎からやってきた女性がカネを稼ぐために来日していたそうだ。
参考記事:コンビニから成人向け雑誌が消えた日 住宅街の自販機でも買えた平成は本格的に終わった|中川淳一郎 | TABLO