北関東では女性が連れ去られ殺害される事件が相次いでいる 昼間でも日の射さない林道を歩く|八木澤高明
茨城県新治郡八郷町(現石岡市金指)の林道で、元美容師の八嶋美智子さん(22歳)の遺体が発見されたのは、1993年1月13日夕方のことだった。胸や首に15ヶ所の刺し傷があり、ほぼ全身の血が抜けていたことから、他の場所で殺害され、この場所に遺棄されたとみられている。
今から25年ほど前の事件になるが、北関東で発生している連続女児殺害事件と同じように、未解決のままである。
八嶋さんは自動車の免許を取得するために、殺害される1ヶ月ほど前に美容院を辞めて、自動車教習所に通っていた。遺体で発見される前日の1月12日午前10時半頃、自動車教習所を出るところを指導員に目撃されたのを最後に、それ以降の足取りはぷつりと途絶えた。
警察は彼女が15ヶ所も刺されていたことから、当初怨恨による殺害を疑い、彼女の交友関係を重点的に調べ。十数名の男性が捜査線上にあがったというが、彼女の交友関係の中に犯人と結びつく人物はいなかった。その後、地元の暴走族などにも捜査対象を広げたが、やはり疑わしき人物は浮上しなかった。
警察の捜査から見えてくるのは、彼女は、見ず知らずの人物に連れ去られた可能性が高いということだ。北関東で発生している連続女児殺害事件や埼玉県草加市で女子高生が連れ去られ、茨城県五霞町で遺体となって発見された事件など、女性が連れ去られ殺害される事件は後を絶たない。しかも未解決のままである。