酒飲みで貧乏…そんな“どうしようもない僕らのための寿司屋”を西東京で発見! 廻らない寿司をこんな値段で頂けるなんて|Mr.tsubaking連載

 

 

しばらくすると、前半のネタが目の前に並べられました。やはり、100円の回転寿司とはネタの美しさが違います。コハダを一口いただくと、きつめにキレよくシメられているため、喉がすぐにお酒を欲します。酎ハイをグッと飲んで口の中に広がる多幸感。他のネタもいただきましたが、どれも臭みは一切なく、回らない寿司屋のきちんとした仕事が感じられます。

 

 

張り紙には「缶酎ハイ」としか書いていないのですが、ほかのお酒もOKとのことで、次は缶ビール。このドリンクは店に1円も落とさないのに、大将はグラスを交換してくれました。続いて出てくる巻物も、シャリにこだわっているだけあって、美味しくいただけます。

 

 

そしてやはり「寿司には日本酒」というわけでパック酒をひとつ。案の定相性抜群で、口の中だけだった多幸感はいまや身体中に広がっています。回らないお寿司屋さんでこれだけ飲食すれば、4000円近くを覚悟しなくてはいけません。それが、お酒まで含めて1500円で済んでしまいました。本当に、僕にとっての石原軍団のようなお店です。

 

 

お寿司をいただきながら、大将にいろんなお話を伺いました。戦争で両親を亡くし孤児となった大将は、学校を出る前から親戚の寿司屋で修行をはじめたそう。すでにこの道70年近く! 素晴らしいお寿司を握る理由がわかりました。

タバコもギャンブルもせずに仕事一筋で生きてきた大将は、お酒も飲まないそうで「酒のことは、わからない自分がやるより、買ってきた方がいいでしょ? お互いに」という発想から生まれたのだと言います。

都心からは少し離れますが、素晴らしい大将と話しながら気軽な酒をいい寿司で飲める二葉鮨。外出可能になった時にはかならずまた訪れます。コンビニ袋をぶらさげて。(Mr.tsubaking連載 『どうした!? ウォーカー』 第58回)

 

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