年末年始がコロナ対策の「大連休」になることにより犯罪に走るしか生きる術を持たない人々が存在することを西村大臣は知っているか

水戸を出て東京に着いた彼が真っ先に向かったのはやはりパチンコ店でした。手元には刑務所で得た作業報奨金が9000円ほど残っていました。

「2000円だけ使おう」

そう思ってパチンコ店に入りましたが、その日の夕方には彼はほぼすべてのお金を使い果てしていました。

先ほど述べたように役所はもう10連休に入ってしまっています。頼れる親族もいません。頼れるはずだった知人は電話に出ません。

残った僅かなお金で彼は1本のカッターを買いました。

「ホームレスになるくらいなら捕まろう、と思いました。普通はあり得ないかもしれないですけど、捕まるのも初めてじゃないし慣れてるというか…抵抗はなかったです」

そして彼は110番通報をしました。

臨場した警察官にカッターを示し、現行犯逮捕となりました。

 

自己責任。自助。

 

そう言って突き放すのは簡単です。ですが、それをすれば犯罪に走るしかなくなる人間も出てきます。死ぬ人間も出てきます。(取材・文◎鈴木孔明)

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