大好きだった“友人のせい”で覚せい剤をまた始めてしまった男 一度使えば完治することは絶対にない恐怖の麻薬

「またやろう、だなんて何年も全く思わなかったんですけどね。医者とも上手くいってたし友人も協力してくれたし、やめるのは簡単だと思いました。でも、またやるのも簡単でした」

彼が再び覚せい剤に手を出したきっかけもまた件の「友人」でした。

「友人の葬式の時に、前に関係のあった人から『やらないか』と誘われました。その時までは何回誘われても断ってたんですけど、断われなくてつい手を出してしまいました。精神的にちょっとおかしくなってたので…」

彼の更生に尽力してくれた「友人」の死因は自殺でした。自殺の詳しい理由はわかりません。ずっと自分を支え助けてくれた「友人」の死は彼に大きな衝撃を与えました。

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彼は統合失調症など、複数の精神疾患を抱えています。それらは府中刑務所内で受刑者からのイジメを受けてから発症しました。東日本大震災の時に福島にいた、という理由でイジメを受けたようです。彼にとって「友人」以外の人間は自分を虐げる脅威に映っていたのかもしれません。

被告人質問の中で「人間関係が怖かった」と述べる場面もありました。彼には親族など頼れる人は誰もいません。世界でたった1人、自分のことを心配し助けてくれた「友人」も喪いました。

彼の悲しみを優しく包み込んでくれるのは覚せい剤だけでした。彼を否定も拒絶もせず受け入れてくれるのは覚せい剤だけでした。