東京で緊急事態宣言 私がなぜ「コロナ楽観・経済重視論」を主張するのか 小林よしのり氏の考えに共鳴する理由│中川淳一郎

小林氏の2020年4月段階の意見は、テレビ番組がしきりと喧伝した「コロナはヤバ過ぎます」「PCR検査をして隔離しなくては感染拡大します」「ロックダウンに匹敵することをしなくては感染は収まりません」「出歩いては行けません」「我慢のゴールデンウィークです」から見れば完全に暴論である。

で、あれから1年。

同じことやってないか?

これに対して『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で2021年4月22日、玉川徹コメンテーターは「(PCR検査をとにかくやれ!を含め)ずっと同じことを僕は言い続けていたのに政府が対応せず虚しい」といった趣旨の発言をした。ツイッターの声を見るとこれに同調する声が多かった。

実は私も2020年5月までは久田氏、吉田氏、玉川氏とまったく同じ意見だったが、以後「これって大したことないんじゃないか……」と思うようになっていったのである。「宗旨替え」したわけだが、その根拠はまさに「直感」「実感」とでもいうもので、結果的に2020年に約3400人、2021年に入ってから約6000人が亡くなったウイルスに「世間が振り回され過ぎた」と感じてしまうのだ。実際に自分の知り合いで陽性者は1人。死者はゼロ。人であふれかえる渋谷や新宿の街を歩いていて、突然「うぎゃー、コロナが苦しい!」なんて言い出す人を見たことはない。この1年半以上一度も病院に行っていない。散々宴会をしまくっている身なのにまったく陽性にならないばかりか、この16年間私は一度も風邪さえひいていない。

 

第一回目の緊急事態宣言時の歌舞伎町、一番街(撮影・編集部)
2021年4月20あたりの歌舞伎町、一番街。別確度から撮ったもの(撮影・編集部)

唯一苦しかった病気は2015年8月の「扁桃周囲膿瘍」という細菌性の喉の病気で、これは3週間喉が痛く呼吸が苦しく喋ることさえできないもの。固形物が食べられずひたすらゼリーを食べる生活だった。55kgあった体重が50kgになるほどだった。同じ病院に2回行ったところ「夏風邪ですね」と薬を処方されたがまったく治らない。それで別の耳鼻咽喉科医院に行ったところ、医師は「うわっ! アンタ、扁桃周囲膿瘍だ! なんでここまでヒドくなるまで病院こなかったの! 明日まで放置していたら窒息して死んでいたよ!」と言い、喉の奥に注射を刺した。12ml入りの注射の中に緑の膿がドカドカと入ってきた。

医師は「うひゃー、こりゃすごいわ。ちょっと、今日全部取るのも危ないので明日もう一度来てください。でも大分楽になったでしょ?」と言われた。確かに喉の痛みは激減した。呼吸の通りも良くなった。そして適切な薬を処方してもらい、翌日も同じ医院へ。再び膿を取ってもらったが、この日は血も混じり緑度合いは減っていた(写真参照)。これで完治したのだが、要するに1軒目がヤブ医者だったのだ。「喉が痛い」と言ったら「はい、夏風邪ですね」で終わりだったのだ。

こんなヒドい経験をしているだけに、「人間いつ死んでもおかしくない」「コロナよりヤバい病気はたくさんある」という考えているほか、20代・30代の知人は5人自殺している。いずれも原因は鬱病である。こうしたことから「世界各国はさておき、日本では騒ぎすぎじゃないか?」と考えるようになった。

今年1月6日段階の死亡者数は10歳未満と10代は0人、20代2人、30代10人、40代32人、50代97人、60代293人、70代839人、80代以上2141人の合計3470人。これを見て「寿命が来たんじゃないの?」と考えるのが私の実感である。今年は増えているが、これも昨年来るはずだった寿命が手厚い看護により、1年越しで訪れたのかもしれない。そして若い命を奪う鬱病の方がよっぽどヤバくないか、とも思う。これはもう一人一人の価値観の違いであり、我々は少数派。だから「コロナはヤバ過ぎます」と考える人に対して改宗を迫る気も一切ない。そしてそう考える人もいちいち私を説得してもらいたくない。

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