東京で緊急事態宣言 私がなぜ「コロナ楽観・経済重視論」を主張するのか 小林よしのり氏の考えに共鳴する理由│中川淳一郎

「お前のせいで誰かが死んだらどうするのだ!」形式の批判もまったく心に響かない。人間は新型コロナ以前から誰かに何かを感染させて殺しているかもしれない。昨年愛知県で多数登場した「オレコロナ!」と叫び、周囲にうつそうとした男は論外だが、体の不調がない人間が自由に動き回って何が悪いのか? と思うのである。それなのに「コロナはヤバ過ぎる」と考える人々の恐怖が自治体の首長に伝わり、そこから政府に伝わり緊急事態宣言発出に至る。

過去2回の宣言ってどんだけ効果あったの? 「まん防」の効果は? 海外のロックダウンの効果は? そうしたものの総括がないまま、世間の「空気」によって緊急事態宣言は発生する。

吉田さんと久田さんは心配する必要はない。世間は小林よしのり氏の主張が正しい、という方向にはなっていない。仮に同氏の主張が正しいと感じていても、それを公言すると人でなし扱いされるからするわけがない。

昨年の超過死亡は約マイナス9000。高齢人口が増えているのだから例年毎年2万人死者は増加していたのだから2020年に関しては実質的に3万人減ったこととなる。恐らく2021、2022年はドカーンと死者が増えることだろう。これについては小林氏が「ゴー宣」で述べたように、「寿命が来る」からである。

●結局「最後の一滴死亡」が多かったというデータも、お互い干渉しないのが幸せ

東洋経済オンラインに4月21日に掲載された『コロナ死亡患者の4割が「元々寝たきり」の波紋 療養型病院は注意!札幌市のデータが示すこと』という記事は、神奈川県の阿南英明・医療危機対策統括官と厚生労働省DMAT(災害派遣医療チーム)事務局の近藤久禎次長の対談だ。近藤氏のこの発言は、小林氏の昨年4月の仮説と合致している。

“クラスター発生病院で感染した死亡者のうち72%は「寝た切り状態」だったことがわかりました。これは期間中の札幌市内の全死亡者(223人)の45%に当たります。

つまり、コロナ死亡患者の多くは、さっきの5類型でいえば、➃「最後の一滴死亡」に当たるということです。通常の年でいえば肺炎やインフルエンザで亡くなったケースです。今、第4波に向けて国のコロナ対策は高齢者施設に目が向き始めていますが、亡くなっているのは療養型病院だということを指摘しておかねばと考えました。”

「最後の一滴死亡」とは「元々状態がよくなくて最後の死因がたまたまコロナだった死亡」ということだ。

私は小林氏主宰のコロナ関連イベントにも呼ばれるように「よしりん一派」であるのは事実だ。1年経って私(47歳)より少し年上の久田さん(53歳)と吉田さん(50歳)がコロナに対してどうお考えなのかは分からないが、折り合わないとしてもそれはそれ。このTABLOというサイトを盛り上げたいという気持ちは同じなので、お互いコロナについて考えが合わなくてもそこは干渉しないで言論人たるもの、自分の主張を好き放題すればいい。

結局「人は何らかの理由で死ぬ。高齢であればあるほど死ぬ確率は高まる。『コロナ死でなければ良かったね♪』といった状態になっているのはバカげている」というのが私の考え。これはこの1年3ヶ月の「大変だ祭り」で確固たるものになったし、これから以前の私のようにコロナを怖がり過ぎる側にまわることはないだろう。(文@中川淳一郎 連載「俺の平成史」)

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