東京で緊急事態宣言 私がなぜ「コロナ楽観・経済重視論」を主張するのか 小林よしのり氏の考えに共鳴する理由│中川淳一郎

そこから先は分からないが、久田氏にとっては個人的に親交のある(連載させていただいているのだから当たり前だが)私に「(小林氏と考えの近い)中川さんの意見を聞かせてほしい」というオファーをくださったというわけだ。

なお、吉田氏がツイッターにUPした「ゴー宣」のコマに出たセリフは以下の通り。

「死ぬのは基礎疾患のある高齢者だけだぞ。だったらインフルエンザと変わらんじゃないか!」
「インフルエンザは『高齢者の最後の命の灯を消す病気』といわれるが、新型コロナも同じだ。これで死ぬのは寿命だろう」
「寿命が来た老人を延命させるために、自粛自粛で若者の活力を奪い、経済を失速させて、倒産・失業を増やして、また自殺者3万人の世の中にするのか?」
「コロナは神様の警告だ。まずはこの程度の安全なウイルスで警告を与えてくれた神様に感謝しなければならない」

●2020年4月20日、久田将義と吉田豪のコロナに対する捉え方と小林よしのり評

番組中で吉田氏はこれらを読み上げ、久田氏は「長谷川豊と同じ」と述べた。「人工透析患者は死ね」発言で知られる長谷川豊氏(以後謝罪・改心)にたとえたわけだ。ここから先は私の意見に入る前に、お2人の中継動画の発言を紹介する。

「一理はあるが、命よりもまずはお金をなんとかしないというのは、意識高い系の人はお金が前に立っている。経済は当然重要だが、脅えるよりも経済重視となると、『老人はどうせ死ぬんだし』という発想の先は『障害者は救わないでいい』、と同じ発想」(吉田)

「同じだね」(久田)

「経済的な意味がないなら、という発想になるので怖い」(吉田)

「逆張り的なことを言うじゃないですか。炎上を狙ってるのかもしれないが。(そんな論に)耳を貸したくない。逆張りいらない。真っ当な人と話をしたい。逆張りに見えます。そういうのはいらない」(久田)

「日本だけがコロナに凄いという論を書くらしい。本当に?」(吉田)

「死亡者の人数が少ないと言いたいのでしょうが、小林さんって感染学の人でもない。それでも分からない人が多い。研究者でもない人が研究者でもないことを言う。『世紀末』ではないが、真っ当ではない。真っ当な人が通じる世の中になってほしい。(中略)軽々しく言うものではない。嫌いですね」(久田)

「怖いのが、自粛が続いて、経済的にドーンと落ちて、やっぱりよしりんの主張正しいんじゃね? という声が増えたら怖い。現状は違うが2-3ヶ月で変わったら空気が怖い」(吉田)

「いつ『よしりんいいこと言ってる!』となってもおかしくない。この発想が主流になったら世界から孤立する」(吉田)

「さすがにならないと思うけどね。政治家あたりが釘刺すと思うけど」(久田)

●「小林よしのり一派」は一体何を考えているのか

これがまさに私が本稿を書いている2021年4月22日のほぼ1年前の4月20日の話である。お2人が言うように、小林氏の発想は主流にはなっていない。2020年4-6月のGDPは前年同期比マイナス28.4%、完全失業者数は2020年1月の約150万人から2020年1月は194万人になった

https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/c03.html#c03-1。

これだけヤバくなってもやはり「人命の方が大事」という状態なのに緊急事態宣言発出を求める声が70%を超えているわけで、小林氏の意見はまだまだマイノリティで久田氏と吉田氏が心配するような状況にはなっていない。

「世界から孤立する」という発言は出てきているが、各国でこの手の考えは出まくっているし、スウェーデンはノーガード戦略で当初から異端であり続けている。アメリカの共和党系の州はマスクを外すよう呼びかけたり、アメリカやオーストリアでは「マスクを焼くイベント」が行われたり、欧州各国では自粛・ロックダウンに反対するデモが発生している。テキサス・レンジャーズの試合では、キャパ4万人の球場が大入りでマスク装着率は低い。いずれもワクチン接種率は日本よりも高いものの、比較にならないレベルで被害の多かった国だ。

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