乃木坂46も盗撮被害に!海外動画サイトの暴走を招いた「真犯人」は誰か?

2015年08月24日 乃木坂46 海外サイト 盗撮

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 アイドルグループ・乃木坂46のトイレ盗撮動画を公開すると、海外サーバを使った有料動画サイトで告知された。ところが、これは直前になって公開中止に。ファンの間でサンプル画像を元に検証が行われ、被害女性も撮影場所もほぼ特定されてしまい、騒動が大きくなった事から刑事事件化される可能性が高まり、サイト運営側が逃げたのではないかと思われる。

 さて、今回ここで述べたいのは上記のタレント盗撮問題についてではない。なぜこのような動画が海外のサイト(便宜上)に流出してしまうのかについてだ。

●鉄壁のFC2

 海外の会社が運営する動画サイト(便宜上)でグレーな存在といえば、まずFC2が頭に浮かぶだろう。FC2は過去に何度も警察のご厄介になり、実質上の運営拠点が日本にあるとして、セックス中継や違法アップロード動画といった一般ユーザーの暴走の責任を負わせるべく、社長が逮捕されるまでに至っている。

 ところが、FC2は何度も逮捕者を出し、違法アップロード被害に遭っているAV業界の知財協などから訴訟を起こされているにもかかわらず、運営社側は実刑判決を受けた事もなければ、裁判も悪くて和解(民事のため内容までは確認できず)止まりだ。今では警察も嫌がらせに終始しており、今後も何度か逮捕騒動は起こるかもしれないが、結論が大きく変わる事はないだろう。強いて言うならば、今後は警察の嫌がらせの他に、国税の嫌がらせが追加される可能性が高いというくらいで、それでもトドメを刺す流れには持って行けそうにない。

 それもこれも、FC2の弁護団が強烈すぎるという点もあるのだが、それよりもシステム面や金の流れなど、運営の肝となる部分を "本気で海外に散らばらせている" という点が最大の障害になっている。 これがある限り、過去と同じ手法で警察が何かやろうとも、結局は「私達はインフラを提供しているだけです。あなた方は殺人事件に使われるからといって包丁メーカーを摘発するんですか?」という主張を崩せない。

 今回の乃木坂メンバー盗撮騒動で注目を浴びている動画サイトがFC2並の鉄壁の防御力を持っているかどうかは知らないが、最低限の準備をしているのであれば、FC2と同じように逃げ延びられてもおかしくはないだろう。

●インターネット時代に適応し切れない既存の法律が運営会社(だけ)を守っている

 では、何故このように 『日本人相手の海外サイト』 という手法がまかり通ってしまったかというと、単純に言えば 「何かあった場合に末端の利用者に責任を被せられる」 という点が大きい。 wwwという単語が指すように、ネット空間に入ってしまえば世界中の誰とでも繋がれてしまう。 国ごとやサイトごとにブロックする、アクセスを遮断することも可能だが、それは本来インターネットの基本を無視するナンセンスな行為だ。 そういったネットの性質を既存の法律では受け止め切れず、サーバが置かれた(運営拠点のある) 国の法に基づいて判断するという方法論になってしまっているため、運営会社に対して直に責任を負わせる事が難しくなっている。

 だが、そうした運営側が提供するインフラを使う人間にとってはそうではない。例えば、有料のライブ配信で儲けたい素人は、日本国内から接続していれば、当たり前だが日本の法によって裁かれる。また、ただ動画を見るだけの人間であっても、日本の法律で禁止されている無修正のエロ動画などを日本国内で見ていれば、警察のご厄介になる可能性がある。

 このように、インフラやコンテンツを提供する運営側には(最低限の知識さえあれば)リスクが殆どなく、それを利用する客にばかり大きなリスクがある。それが『日本人相手の海外サイト』の特徴なのだ。

●危険な素材はどんどん海外サイトへ

 次に、どうしてそうしたサイトに今回の芸能人のトイレ盗撮といった、国内ではどんなAVメーカーも及び腰になるようなコンテンツが集まってしまうのかについてだが、最大の理由は「日本国内でAVメーカーとしてやるよりは、よっぽど安全にかつ確実に金にできるから」である。これが国内のエロ屋であれば、何かあった場合に逃げ場がないため、自衛と利益を天秤にかけて判断するしかない。今の衰退し尽くした日本のエロ業界では、賠償金や刑事罰や水面下でのヤクザ屋さんとの戦いといったリスクを考え、おそらく今回のような現役アイドルのトイレ盗撮動画など手が出せないだろう。

 ついでに言えば、盗撮に使われる機材がより高性能化・小型化されたという点も無視はできない。一昔前はガチ盗撮系のAVであっても、当時の小型カメラ(今の普通のハンディカム程度のサイズ)を風呂桶に入れてタオルで隠し、スタッフの女性が女風呂に入って行くといった危険極まりない方法で撮影していたのだが、今はそんな危ない橋を渡らなくても、防水加工された超小型のカメラがいくらでも手に入る。トイレ盗撮の場合などは、豆粒のようなサイズのレンズが肝心の場所に向いていれば良く、固定で構わないのだから、より話が簡単だ。 機材さえ集められれば、素人であっても簡単に素材を作れてしまう。 そして素材さえ集まれば、今は海外サイトという買い取り屋がいるのだから、これまた簡単に金に替えられてしまう。このような流れで、次から次へと危険な動画素材が『日本人相手の海外サイト』に集積されて行くのである。

●海外サイトの暴走を招いた真犯人は......

 最後に、どうしてそんな摘発もままならない面倒臭い状況になってしまったのかについてだが、これも一言でぶった斬れる。警察や政治家や様々な団体などが「叩きやすい場所から叩け」とばかりに国内のエロ業界など "弱い立場の業界" を締め上げた結果、人材も知識も機材も「海外を経由させたブラックビジネス」に流出してしまったのだ。

 これが、日本国内でもう少し余裕を持ってビジネスが出来る状況であるならば、わざわざ海外に拠点を移そうと考える人間も多くはなかっただろう。そうであれば、彼らが国内で何かヤラかしたとしても、既存の法律で堂々と裁けたはずだし、エロ屋からしても何が危険なのか解り切っているのだから、ハナから危ない橋は渡らない。よって、今よりはずっと "管理" も "監視" も簡単だったはずだ。

 しかし「エロだから叩ける」「○○だから締め上げても反発が少ない」といった思惑でイジメ過ぎたがために、知恵のある優秀な人間からどんどん海の向こうに行ってしまい、国内の法律が適用できず、警察がギリギリ言うしかない現状を招いてしまった。これは昭和の時代に政治家と警察がヤクザを一方的に裏切ったがために、ヤクザ業界の情報が集められなくなり、より巧妙に、より凶悪になってしまったという世紀の大失敗にとても似ている。

 私は無駄に業界の内部事情を知り過ぎているために、もしかすると飛躍が過ぎる内容だと受け取られてしまうかもしれないが、『日本人相手の海外サイト』という厄介な存在を生み出したのは、他の誰でもない "日本のオカミ" なのである。本来ならばグレーな存在に肩入れしたくはないのだが、どうしても自業自得という結論になってしまう。

Written by 荒井禎雄

Photo by Thomas Leuthard

アダルトビデオ革命史

エロは国境を越える。

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