座間、猟奇大量殺人事件現場歩いてみた「本当にここが殺人現場なのか」

2017年11月04日 スカウト バラバラ 座間 白石隆浩容疑者

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20171104_01.jpg本当にここが現場なのか。いや確かに現場なのだが、
本当に9人もの人をここで殺めて、バラバラにしたのか―ー。

 小田急線相武台前駅前から車で10分ほどで、白石隆浩容疑者の現場に着いた。駅から白石隆浩容疑者宅は、小田急線のほか駅のように、新興住宅街と同じ閑静な雰囲気だ。白石隆浩容者宅に行くまでは、GPSに入力しても、ジャストで着かない。が、完成な閑静には不自然に、緑色のナンバーが停車していた。これが目印だ。新聞社、テレビ局のハイヤーやロケ車だ(写真1)。

20171104_02.jpg閑静な住宅街にマスコミの車(写真1)

 現場百回という。現場でしか分からない磁場みたいなものがある。現場は神奈川県座間市、東京近郊の住宅街だ。このあたりは、僕も土地勘があり、本当に静かな、物音がしたら申し訳ないような典型的な新興の住宅が建ちならんでいる。
 

 住宅街でも東京の下町の浅草や荒川や墨田のような感じではない。悪い言い方をすれば、無機質な。相武台前駅から白石隆浩容疑者宅は、東京近郊と言っても浅草や荒川、墨田のような地域密着型の住宅街ではない。新興住宅街独特の関係性が希薄になっている街並みだ。現場の振り返れば、電柱の灯りがあってさえ、暗い道が延びている。(写真2)

20171104_03.jpg現場を振り返ると街灯もまばらな道が(写真2)

  何かしら異質な人間が紛れ込んでも近所の住民はさほど気にしない。そういう築30年くらいの家が建っている新興の街だ。下町のように隣の人をあまり気にかけない。しかも白石隆浩容疑者は、3か月前に越してきたばかり。むしろ「大人しい、青年でしたよ」という近所の人のコメントが嘘くさく感じられる。存在すら知らなった人が大多数だろう。

  警察は単独犯で捜査しているようだが、どうしてもここで、この場所で、9人もの人を殺め、そしてバラバラにしたとは思えなかったのが正直な感想だ。それほど静まり返っている。そこに、住宅とは異質なコーポがポツンと建っている。(写真3)

20171104_04.jpg白石隆浩容疑者はここで9人もの人を殺め、遺体損壊したのか(写真3)

 住民した通らないようなこの付近に、9人の男女が出入りしていたら、目立つに違いない。9人の男女が殺害されたのだから、物音だってしたはずだ。そこまで考えて、ふと「違うのでは」と思った。「殺害された」のではない「自死」しに来たのだ。だから、静かだったのだ。争う必要などなかったのだ。

 遺体の処理も白石隆浩容疑者一人でやったという。これも過去の事件の例から言うと考えにくい。埼玉愛犬家殺人事件、北九州監禁事件など二人以上で行っている。「一人目は三日かかり、二人目からは一日でできた」。白石容疑者の今のところの供述だ。確かに、一人でやれない事はない。2006年12月に東京都新宿区、渋谷区で起きた「セレブ妻遺体損壊事件」である。犯人は30代の女性。被害者は夫である男性。女性は夫を殺害後、遺体をバラバラにしてボストンバックに詰めて、町田市の公園に遺棄した。
 

 そういう意味では、やってやれない事はない。が9人ともなると......。何らかの異変に同じコーポの住民は気づくのではないか。が、小田急線沿いにあるコーポは、時おり通る電車の音が騒々しいだろう(写真4)。これが異変を消したのか。

小田急線の線路沿いなので電車が通ると騒音が激しい(写真4)

 埼玉愛犬家殺人、北九州監禁事件の例を見るに、殺人現場は他にあるのではないか。またこれだけ人数を殺害し、バラバラにしたのは本当に白石隆浩容疑者一人なのか。過去にそういう事件はない。
 

20171104_05.jpg

 が、事件取材を20年の週刊誌記者は、この殺人現場感に異論を唱える。「コーポから白石容疑者の血痕がある訳ですしね。現場が別にあったとして、それをあのコーポに持っていくのは重労働です。確かに二人でクーラーボックスを運んだという説もあるのですが。まだ分からないですが一人でやったんじゃないですか」
 

・動機の解明
・白石隆浩容疑者の人間性

  これがこの事件の最も大きなカギとなる。白石隆浩容疑者は、歌舞伎町の区役所通り入り口で(写真5)、風俗のスカウトをしていた。スカウトには縄張りがあり、白石隆浩容疑者が所属していた会社の受け持ちはそこだった。しかし、スカウト達は白石隆浩容疑者を「印象がない」「そもそもそいた? あんな奴」という具合だ。

20171104_06.jpg白石容疑者がスカウトをしていたとされる歌舞伎町の区役所通り入り口(写真5)
 

 スカウトでは道に立てずにいて、ツイッターを通して、風俗にスカウトしようとしたのか。
 警察が捜しているのが二人いる。白石隆浩容疑者と同棲していた女性と、かつて白石隆浩容疑者が茨城県神栖市で違法風俗のスカウトをして職業法違反で逮捕。執行猶予付き実刑を食らったが二人で逮捕されている。そのもう一人を探している。この二人から事情聴取が出来れば、白石隆浩容疑者の人間性が垣間見られるはずだ。それが動機の解明につながるのだろうか。推移を見守りたい。(編集部)5

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今までにはない猟奇殺人事件の雰囲気。

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