米国フロリダ州には、死刑囚は40ドルの範囲内であれば刑の執行直前に好きな食べ物、飲み物を自由にリクエストできる制度がある。そこではハンバーガーやタコスなどいくつかの典型的な料理が求められる一方で、その選択肢は誰にも予想できないほど多様だ。また、当局側は要求された食事を完璧に準備しなければならず、現物を入手するために個別の売り場や産地まで出向いて購入しているという。そんな過去の有名死刑囚が要求した「最後の晩餐リスト」を英国紙デイリーメールが報じている。
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フロリダでもっとも新しく刑が執行された殺人鬼ウィリアム・ハップのリクエストは箱詰めのチョコレートとビックサイズのアイスクリームだった。
オハイオ州で、道を尋ねてきた女性と二十代の娘をレイプして殺害した極悪人オーバ・チャンドラーは、サラミのサンドイッチ、ピーナッツバターとジャムのサンドイッチを求めた。
1972年、連邦最高裁での判断で死刑制度が4年間廃止なった後、初の執行を受けたのが殺人犯ジョン・スペンクリンク。彼が要求したのはなんと、ジャック・ダニエルのウイスキーだった。
2006年に執行された殺人犯アーサー・ラザフォードがリクエストしたメニューはカロリー高めのフライ料理だった。ナマズの揚げ物、フライドグリーントマト、ナスの揚げ物。彼は毒殺用の注射を打たれる寸前に甘いお茶で胃の中に流し込んだという。
その殺人鬼ぶりが全米の注目を集め、シャーリーズ・セロン主演によって映画化までされた女子凶悪犯アイリーン・ウォルノスは最後の晩餐を拒否し、刑が執行する9時間前にカップ一杯のコーヒーを飲んだだけだった。
1982年に妊婦とその娘2人を殺害したアレン・リー・デイビスの要求はかなり複雑だった。エビフライのロブスターテールのバイキング料理、フライドポテト、ハーフポンド、揚げハマグリのむき身6オンス、ハーフガーリックのパンとA&Wルートビアの32オンスを望んだ。そしてフロリダ州政府はすべて準備したという。
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これらのラインナップは、アメリカ人の食生活を反映しているのがよくわかる。日本人なら、寿司、おにぎり、牛丼、カレーライス、ラーメンといったものが要求されるのだろう。筆者の場合は迷わず青葉のつけ麺をオーダーしたい。
今まさに人生の幕引きが近付いているとき、40ドル以内であなたが選ぶ最後の食事は何になるだろう。そんなことを考えてみると、彼らの選んだ食事メニューがより興味深いものになってくる。
Written by 内村塩次郎
Photo by Florida Department of Corrections
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