TABLO読者へ投資に詳しいライターが解説する『ビットコインってぶっちゃけ儲かるの!?』

2017年12月22日 ビットコイン 投資

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2年前に買っていたら今頃50倍でした

分裂問題や価格の高騰などで注目を集めているビットコインの影響を受けて、2017年は「仮想通貨」の知名度が飛躍的に向上しました。

実際、2017年はビットコインの価格上昇が激しく、12月8日には初の「200万円/BTC」を突破。2016年初頭に4~5万円/BTCだったことを考えると、2年足らずで約50倍という驚異的な上昇を記録したことになり、投資対象として魅力を感じている人も多いのではないでしょうか。

筆者もまた、2017年はビットコイン関連の記事作成を数多く依頼され、その注目度の高さを肌で感じています。

とはいえ、仮想通貨は誕生してわずか10年足らずと歴史が浅く、「なんだか儲かるみたいだけど怪しいんじゃない?」と感じている人も多いはず。そこで、投資の初心者がビットコインをはじめとする仮想通貨を購入するとき、押さえておきたいポイントや投資方法を考察してみました。


税金だけはガッツリやられます御注意を!

まず、仮想通貨は既存の金融商品とは異なるものです。これは法律的にも仮想通貨は金融商品ではなく、単なる決済通貨として認められていることからもわかります。そして、投資という観点から仮想通貨を見たとき、既存商品との大きな違いは「インカムゲイン」が存在しないことでしょう。

このインカムゲインとは一定の金融商品を保有したときに発生する利子所得のこと。株式でいえば配当金や株主優待、投資信託なら分配金。FXならスワップポイント(利息のようなもの)など、持っているだけで利益を得ることができます。

しかし、ビットコインなどの仮想通貨における利益は、「安いときに買って高いときに売る」というキャピタルゲイン(売買差益)が基本。つまり、保有しているだけでは1円も儲からないため、株式や投資信託とは異なる運用方針が必要となることは必ず覚えておきましょう。

ちなみに、ビットコインでは取引記録を取引台帳に追記する作業をサポートすることで報酬を得られる「マイニング」、取引所間の価格差を利用して売買差益を得る「アービトラージ」でも利益を得られますが、これは専門的な知識が必要になるため、初心者は気にしなくてもよいでしょう。

また、既存の投資商品で利益(株式・配当・利子)を得た場合は「20.315%」の税金が発生します。しかし、仮想通貨はこの税制は適用されず、「雑所得」として税金を支払うことが必要です。この雑所得は累進課税で税制上最も不利であり、所得税の額により最高で「45%」の税金を支払わなければなりません。

そして、仮想通貨で利益を出したときには確定申告が必要。これを怠ると「脱税」になってしまうので、必ず覚えておきましょう。ちなみにビットコインブームにより、税務署も課税対象として注目しているという話を、関係者から漏れ聞いています。


価格変動を読むことははっきり言って不可能

次に、ビットコインは激しい価格変動でも有名で、1日で10%以上も価格が上下することもめずらしくありません。そして、その値動きはかなり不透明なものであり、「読む」ということが難しくなっています。

先述しましたが、筆者はビットコインに関係する記事を数多く手掛け、ファイナンシャルプランナーやアナリストという専門家たちに取材を行ってきました。

その際、どの識者にも「今後のビットコイン価格はどうなる?」という質問を投げかけてみましたが、全員がそろって「わからない」と答えています。あくまで極端な話という前置きがありましたが、上昇を続けて1BTCが1000万円を超えることも、ブーム前夜だった頃の4~5万円に戻ることも、どちらになってもおかしくないといいます。

既存の投資商品である株式や投資信託などは、これまでの歴史的なデータからある程度の値動きを予測することができます。例えば、日経平均や世界で発表される経済関連の指数、FOMCや日銀の金利動向など、いわゆる「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)」と呼ばれるものを目安として株価や為替がどう動いていくのかを推測できるのです。

しかし、ビットコインをはじめとする仮想通貨には、このファンダメンタルズは存在しないというのが経済のプロたち共通のコメントでした。
これはつまり、価格が上下したときの理由が不透明ということであり、単純に「何らかの理由で需要が増加したから価格が上昇した」という予測しかできないということ。
完全にその時々の「需要」と「供給」に左右されるものであり、投資の専門家でさえも仮想通貨の相場を正確に予測することが難しいということになります。

ちなみに、めったに起こることではないのですが、キプロス危機のようにメジャーな法定通貨の信頼性が低下すると、ビットコインを購入する傾向はあります。


しかし、やってみる価値は十二分にあります

なんだか、ネガティブなことばかり書いてしまいましたが、あくまで既存の投資商品と同じ感覚で利用するのは間違いというだけのことであり、投資の手法によっては個々人ごとのリスクを極力減らして、ハイリターンを享受できる可能性は十分にあります。

それは、仮想通貨だけで資産を増やそうとせず、分散投資の1ジャンルという認識を持つことです。

分散投資とは、例えば、円安に強い業種の株と円高に強い業種の株を両方保有したり、株式と投資信託など異なる商品を購入するなどして、片方の損失をもう片方でカバーするというリスクヘッジのことです。

つまり、メインの資産形成は株式や投資信託などの既存の金融商品で行い、サブとしてハイリターンの仮想通貨を買ってみるくらいがベターでしょう。というか、ある程度のお遊びというか、パチンコや競馬のような博打というレベルで考えてもよいと思います。


具体的には、まず自分にとって損をしても痛くない投資額を設定してみましょう。10万くらいならボーナスのときに出せるというのであれば、気になる10種類の仮想通貨を1万円ずつ購入します。5万円なら1万円で5種類とか、5000円で10種類とか。
ただし、仮想通貨の購入には手数料が発生するため、1種類の仮想通貨を買う金額は5000円以上、できれば1万円を目安にすることがオススメです。
そして、毎月1〜2回程度、購入した仮想通貨のレートをチェックして、納得できる価格であったら売るのです。2倍、3倍になる通貨もあれば、暴落する通貨もあるため、必ず利益が出るというわけではありませんが、ビットコインのように数十倍に高騰することにでもなれば...。


とはいえ、この手法はまともな投資というよりも、投機や博打に近いものであり、投入した資金がゼロになる可能性があるということは押さえておきましょう。あくまで、許容できるリスクの範囲内で仮想通貨を活用する一手法として参考にしてみてください。

ただ、「なんだか怖い」という理由だけで仮想通貨を避けるのは、とてももったいないことだと思います。

筆者も2016年にあるFPさんから「ビットコインは来るよ」と言われていましたが、怪しい印象がぬぐえずに手を出していませんでした。

あのとき1万円でも購入していれば、今頃はウハウハ状態を満喫していたかもしれませんね。とりあえず試してみるということが、「投資」にとっては大切なことなのです。


取材・文◎百園雷太


【編集部注】
この記事は、執筆者の個人的見解に過ぎず、執筆者及び弊社サイトがその内容の正確性および安全性を保証するものではありません。

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