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ニホンオオカミは生きている!?
筆者はそんな記事を担当したことがあった。動物に興味がある人以外にはあまり知られていないが、日本にはニホンオオカミを始め、我が国固有、あるいは希少種でいまは生存しない「絶滅種」がいた。
名前をあげれば、前述のニホンオオカミを始めエゾオオカミ、二ホンカワウソ、そしてトキなどだ。トキは日本での再生を願って中国から輸入したトキを交配させて復活を図る計画が続けられているが、1995年を最後に日本固有種は絶えてしまっている。
そんな絶滅種、ニホンオオカミが奈良県吉野の山中にいる、という趣旨の取材だったのだが、舞台裏を明かしてしまえば当初、奈良に飛んだときの目標は"熊"だったのだ。それも3メートルを超える巨大熊がいるらしいので探して来い! と......。
そんな指令を受けて奈良県の深奥部川上村に入った筆者を待っていたのは、地元猟友会からの「そんな熊は絶対におらんわ。ここら辺の山は奥の奥まで知っとるけど、3メートルなんて熊、おるわけないやろ」という冷ややかな視線を含んだ言葉だった。ちなみに、奈良を始め本州にいるツキノワグマは最大級でも1,8メートルくらいで、通常は1,2~1,5メートルくらいである。
その後取材を続けるも、大熊に関しては超絶否定的なコメントしかとれない(当たり前だが)ことがわかり頭を抱えた筆者が、ふと目にしたのは村の資料館に展示されていた「ニホンオオカミ」に関するコーナーだった(『水曜どうでしょう』の原付の旅でもお馴染み...)。
一部学説では日本固有種とも言われているこの絶滅種が、最後に確認されたのは明治38年(1905年)の吉野郡小川村(現東吉野村)だったというのである。川上村と吉野なら隣みたいな距離だ(とは言っても田舎の隣で、距離は相当ある)。むしろ、ニホンオオカミのほうがロマンもあると思い立った筆者は標的を切り替えた。猟友会に聞けば「結果」はわかっていると、川上村、そして吉野で丹念な聞き込み取材を開始したのだ。
聞き込みのポイントは一点、「遠吠えを聞いたことがありますか?」。ニホンオオカミの遠吠えを近くで聞けば、家の障子も震えたというほど迫力があったという。「ゥオオオォーーン」という遠吠えを聞かなかったか? 間違いなく聞いたことはないですか? と聞いていくと、人間面白いもので、「山のほうで、なんやわからん遠吠えは聞いたことはあるけどなぁ......」と段々と確証がもてなくなってくる。
そもそも、ニホンオオカミが絶滅した公式記録である明治38年以降も日本各地で"目撃情報"はあるのだ。最終的に、「ニホンオオカミは絶滅したとして、その遺伝子を残す野犬が可能性があるのでは? 言ってみればハイブリッドです」と猟師・役場などの地元関係者にダメを押したところ、「ま、可能性は否定できない」との言葉が返ってきた。これで十分である。実際にニホンオオカミを追い続けている夢追い人は日本中に存在する。
結論、ニホンオオカミは絶滅したが、その亜種=ハイブリット犬の存在は否定できない......そういうことだ。(取材・文◎鈴木光司)
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