「しっかり踊ってしっかり歌う」 モーニング娘。’19がロックフェスで発見された唯一つの理由|大塚ナギサ

RIJFはモーニング娘。のメンバーたちにとっても憧れのステージであり、昨年も今年も相当な意気込みで臨んでいたことは間違いありません。でも、渋谷社長が言うように、モーニング娘。のパフォーマンスはいつも通り。しっかり踊って、しっかり歌うという、結成から20年以上も変わらずに続けてきたことを、愚直なまでに発揮していただけです。

それならば、どうして2018年までモーニング娘。は発見されなかったのでしょうか? モーニング娘。’17のパフォーマンスだってとんでもなく素晴らしかったし、道重さゆみがリーダーだったモーニング娘。’14がRIJFに出ていたとしたら、間違いなく発見されていたはず。あるいは、後に“プラチナ期”と呼ばれることとなる2009年のモーニング娘。であっても、発見されていたに違いない。モーニング娘。はもう何年もずっと素晴らしいパフォーマンスをし続けているのですから。

動き続ける音楽シーンの中で、“アイドル”や“ロック”といった概念が変化し、その結果として、今やっとモーニング娘。がRIJFで発見されたということもあるででょう。しかし、モーニング娘。の基本である「しっかり踊ってしっかり歌う」ということはずっと変わらないわけだし、それはライブパフォーマンスにおける普遍的な魅力そのものです。だからこそ、モーニング娘。が何年も発見されなかったことにもどかしさを感じずにはいられません。

もしも、モーニング娘。が素晴らしいということを運営サイドが猛烈にアピールしていたならば、もっと早く発見されていたかもしれない。しかし、残念ながらそういった動きはあまりなかったように思います。それこそ48グループや坂道シリーズ、ももいろクローバーZなどが、世の中を巻き込んでムーブメントを作るなか、モーニング娘。を含むハロー!プロジェクトは積極的なメディア展開ではなく、コンサートを通してパフォーマンスを磨くことに心血を注いでいたのです。